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- 第一話 ようこそれん毛同盟へ! ( No.5 )
- 日時: 2012/12/03 22:40
- 名前: 雪達磨 ◆1x97e8uwoc (ID: PR3Fak4z)
「おはよう、愛理ー!」
「わ、おはよ!」
最近遊ぶ機会が減ってしまった友達。
それでも前と同じように接してくれる友人の優しさに感謝していた。
「うわあ! ノート取るの忘れたああぁぁ!」
「安定の馬鹿愛理だね」
「ちょ、酷いよ!?」
「あー、はいはい。隣の人とかに早くうつさせてもらったら?」
友人は、もう始まるからと自分の席へ移動してしまう。
……できれば、隣の人には頼りたくないのだが。
「あのー……、東条君? ノート見せてもらってもいい?」
「……ん」
その『隣の人』東条蓮は、まだ朝だというのに爆睡中だった。
「忘れちゃってさ、いい?」
「……どーぞ、ご自由に」
「ごめんね? ありが」
「いや、僕の睡眠を邪魔される方がよっぽど迷惑だからさ」
勝手に取っていってくれるかな?、と若干不機嫌そうに言われる。
東条蓮。顔はモデル並みの美形。成績は学年でも1位2位を争うほど。
そして性格は、超の付くほどの悪さだった。
「は、はい。ごめん……」
「やたら謝られるのも嫌なんだけどな? さっさとノート取って返してよ」
「…………」
そこで思い出したのは、昨日のチャットでの出来事。
昨日早速チャットに参加した、蓮と名乗る人。
(いやでも、蓮なんて珍しい名前でもないしなぁ……)
それに、昨夜のやり取りを思い出せば、気さくな印象の人で。
この東条蓮とは全く違うタイプの人だと思った。
「東条ってほんっと嫌な性格だよねー」
「そうそう、なかなかいないよ? あそこまで性格悪い奴ってさ」
放課後の廊下ではそんな会話が聞こえ、やはり評判は良くないようだった。
「あ。安田さんってさ、東条の隣の席でしょ?」
「運悪かったねー。嫌じゃない?」
「え、嫌……じゃないけど」
「そうなの? ……まあ、東条って顔はいいんだけどね」
「頭も良いし、勿体無いよねえ。あの性格さえなければモテモテでしょ」
「実際、モテてはいるらしいよ? 毎回酷い振り方してるらしいけど」
正直こういう会話は苦手で、適当なタイミングで女子達の輪から抜け出し、自分も帰ることにした。