コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

「第2話」 ( No.6 )
日時: 2012/12/16 11:10
名前: 逢衣 (ID: hLayjJCv)

家の近くの公園を通りかかった時、私は地面を打つボールの音に気が付いた。
最近、この公園で見かける男がいる。
オレンジのラインが入ったアディダスのジャージに、スニーカー。
身長は高く、髪色は漆黒。
——そんな、男だ。

公園を覗くと、彼はいた。
額にしたたる汗は、酷く、輝いていた。

私は何かに打ち込んでみたかった。
全てを忘れられる、何かに。
制服のまま、私は公園に飛び込んだ。
これなら、世間を好きになれるかもしれない、と。
そう思ったのだ。

「やらせて」

私は彼に言った。
一瞬驚いたような表情を彼は見せたが、すぐに爽やかな笑顔を浮かべる。

「ONEonONEでも、する?」

私はこの頃から、白線を消してしまっていたのかもしれない。