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Re: お助け部! ( No.2 )
日時: 2012/12/14 23:49
名前: ユキヒメ (ID: ZsN0i3fl)




1、はじめまして?




「ここが…葉桜高校……」

一人の眼鏡をかけた少年が、「葉桜高校」と書いてある門の前に立っている……。
彼の名前は、菊池太郎。親の仕事の都合で、進学とともにこの学校に転校して来たのであった……表向きには……。
本当は、どんな理由だったかはのちのち分かる事だろう……。

太郎「ここは、大丈夫かな……?」

重たい足をゆっくり、ゆっくり上げながら職員室へと向かう。
だけど、時間はどんどん進んでいく……。

先生「みんなに、嬉しいお知らせがあります!」

生徒1「なになに〜?」

生徒4「嬉しいお知らせってなんだろ〜?」

生徒3「ぐぅ〜……」

先生の一言に、教室はざわめいている。太郎は、そのざわめきが怖くて…怖くてその場から逃げ出したいと思った。
少し、教室のドアから離れたその時!
右側の廊下をず〜と行った先にある、階段から物凄い声と音が聞こえてきた。

???「ぐぅ〜〜〜〜おりゃ〜〜〜〜〜間に合えェぇぇぇぇぇ」

お世辞でも可愛いとはいえない、なんともむごい顔をした栗色の寝癖だらけの髪をした少女が超特急で走ってくる。

太郎「え?ええ??」

太郎は、ビックリしすぎてその場から動けなくなってしまった。
でも少女はどんどん近付いてくる!!
やばい!ぶつかるっと思ったその時、少女の足が絡んで

少女「え?う〜わ〜あ〜あ〜あ〜」

ドスンッ!!という大きな音を出して、少女は廊下に顔面強打した。
痛そう……と思っていると、教室から先生が慌てて出てきて

先生「どうしたの?!菊池君大丈夫?!」

太郎「はっ、はい。僕は……」

そう言いながらゆっくり視線を、少女の方に向ける。
先生も太郎の目を追いかけて同じ方向を見る、そして……

先生「桜田さん!!またあなたは!!」

桜田と呼ばれた少女は先生に抱えられて保健室に運ばれ、何の自己紹介もなく、質問タイムもないままお昼まで時間が過ぎて行った……。

生徒2「ねぇねぇ、一緒に食べよう。」

生徒4「なぁ、昨日のアレお前見た?」

生徒5「見た見た、あれだろ?」

生徒1「今日は何処で食べようかぁ?」

生徒3「そうだねぇ〜……」

他の生徒達は皆、それぞれお昼を食べに行く。
誰ひとり、太郎に声をかけてくる者はいない、まぁいつものことだから別にいけどね。
と自分に言い聞かせ、太郎は購買でパンを買うために廊下へと出た……。
廊下に出ても、声をかけられることなどないと思っていたが

???「よう、転校生!」

太郎「え?」

誰かが、後ろから声をかけてきた。転校生って誰だろう……って僕か!?
ちょっとしたボケツッコミを心の中でした。
振り返ると、濃い茶髪で不真面目そうな男子生徒と黒髪でパット見男子生徒に見える女子生徒が立っていた。


男子生徒「お前も、今から購買に行くんだろ?」

太郎「えっあ、はい。」

こんなにも普通に話しかけられたのは、超久しぶりなのでうまく言葉が出てこない。女子生徒が、そんな太郎を見て優しく。

女子生徒「そんなに、怖がらなくてもいいよ。こいつ、中身はいい奴だから。」

男子生徒「おい、結衣。中身はってどういう意味だ?」

女子生徒「……それで、どう?私達と購買に行かない?」

男子生徒「って、無視すんな!」

なんか、面白い人たちだな……少しずつ二人に向けられていた警戒心が解かれていく……。
この人たちは、悪い人達じゃなさそうだし……行ってみようかな。
太郎は勇気を振り絞って

太郎「うん。」

と言った。二人も笑顔で

男子生徒「よしっ、そうと決まったら早く行こうぜ!パンが売れ切れちまう。」

太郎「まだ、お昼休みは始まったばかりですよ?」

男子生徒「ふっ、甘いな転校生。ここの購買部はなぁ
「いや、そんなこと話している間になくなるよ。」

男子生徒「あっ、結衣!俺の話を横切るな!まぁ……とにかく、さっさっと購買部に行くぞ!」

と言って男子生徒は早々と購買に向かって走って行ってしまった。
あれ?廊下って走ってもよかったんだっけ…?

女子生徒「ああ、コラァ!ぜぜ!廊下を走ったら駄目だろ!まったくあいつは…。私達は早歩きで行こうか?」

太郎「はいっ!」

女子生徒の提案どうり、購買には早歩きで行くことにした。結構速いスピードだが。
二人はすごく仲がいいみたいだな……ぼくにもこんな友達出来るかな?
太郎は心の中でそう、思いながら女子生徒と楽しいおしゃべりをしている……。