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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 浅葱の夢見し ( No.131 )
- 日時: 2013/04/15 20:55
- 名前: いろはうた (ID: vpptpcF/)
*「巫女姫は、なぜあいつが忍びなのか、なぜ宮司になっていないのか知っているかい?」
「なぜ・・・」
言われてみると、ヒタギは四鬼ノ宮当主の弟だ。
相当身分が高い。
それに、四鬼ノ宮には、影水月と違って本家と分家という身分制度がない。
本来ならば、有能な宮司としてヒレンを支えているはずだ。
それがなぜ忍びの頭目なんかをつとめているのか。
カエデは首を横に振った。
「私、わかりません」
「そうか。
あいつは君に教えていなかったのか」
「何をです?」
ヒレンの不思議な色をした瞳が優しげに細められた。
「じゃあ、私が代わりに教えよう。
ヒタギはね、霊力を一切持っていないんだ」
「え?」
「生まれつきね。
本当にわずかたりとも霊力をその身に宿していない」
カエデは目を見開いた。
「どういうことですか?
ヒタギはヒレン様の弟ではないのですか?」
「いや。
ちゃんと血のつながった弟だよ」
「それなら・・・なんで・・・」
霊力をもった者の血縁者はほとんどは霊力をわずかであってももっているはずだ。
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