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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 浅葱の夢見し ( No.217 )
- 日時: 2013/05/19 00:10
- 名前: いろはうた (ID: a4Z8mItP)
*愛しい人。
あなたは優しい。
だけど、今はその優しさは痛い。
その優しさも、言葉も、
あなたの全てが
あの人に
あの人のためだけに
無条件で捧げられる。
それがこんなにも苦しいから。
*カエデは冷や汗をかきまくっていた。
目の前には赤い顔をしたトクマが睨むようにカエデを見ている。
先ほど、廊下を渡ろうとしたら、待ち伏せするかのようにトクマが仁王立ちしていたのだ。
呼びとめられてしまい、とおりすぎるわけにもいかず、こうして彼の言葉を
待っているのだが、なかなか話が始まらない。
まさかこの前、シキが来た夜に勝手に射場に入ったことがばれてしまったのだろうか、と
嫌な汗が止まらない。
「そ、そのよ…」
「は、はははははい」
「………この前は……悪かった」
「は、はははははい。
…はい?」
「この前のことだよ!!!」
かみつくように言われ、カエデはすべてを思い出した。
おそらく彼は、沐浴の時のことを言っているのだろう。
カエデがまっかな顔で向き直れば、負けず劣らず真っ赤な顔のトクマがそっぽを向いていた。
「いや、その…こちらこそ…」
「だ、だから、わびをしようと思ってだな…」
「わ、わび?」
トクマの意外な言葉にカエデはきょとんとした。
対するトクマはいこごち悪そうに唇をかみしめ、視線をさまよわせている。
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