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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 浅葱の夢見し ( No.221 )
- 日時: 2013/05/21 23:53
- 名前: いろはうた (ID: a4Z8mItP)
*「す、すごい所ね…」
結局祭りにはレイヤもついてくることになった。
三人の目の前にあるのは長いつり橋。
崖下をちらっと見れば、はるか下にごうごうと音を立てている激流。
その先を目でたどれば、ぷつりと流れは消えていた。
向こうにおそらく滝があるのだろう。
…落ちたらひとたまりもないような高さと流れだ。
「…おれが先に行こう」
そう言うなりレイヤはすたすたとつり橋を渡り始めた。
危険がないかどうか確認するためだろう。
やがて向こう側に渡り終えたレイヤが一つうなづく。
来てよし、ということだろう。
「じゃ、次はおまえ行けば?
橋も問題みたいだしな」
「…ぅ」
ちらりと崖下を見て、カエデの頬に汗が流れた。
「どうした?」
きょとんとした顔で見られ、実は高い所があまり好きじゃない
などというわがままが言えなくなってしまった。
おそるおそる手すりの縄に指先をのばし、
二歩、三歩と足を木のつり橋に足を踏み出してみた。
ぎっと足元がきしむ感触。
びくりと震えて思わず足を止めると強い風がカエデの長い髪を激しくなびかせた。
ぐらりぐらりと視界が揺れるのは、つり橋が風に激しく揺れているからだ。
そのひょうしに、はるか下の激流が目に入ってしまった。
(ひ、ひええええっ!?)
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