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Re: 浅葱の夢見し ( No.297 )
日時: 2013/06/26 21:11
名前: いろはうた (ID: VHEhwa99)

*レイヤさんと目が合いました。

「……だから、お前が食べさせてくれないだろうか」

「なっ、なんでそうなる!?」

叫んだ瞬間にレイヤさんが妙な目でこっち見てきました。

なんですかその捨てられた子犬のような目は!!??

「……」

「わ、わかりました。

 …謹んでお受けいたします…」

「…そうか。

 ありがとう」

ふっ、不意打ちでほんのり笑顔みせるとか反則だっ

ひきょうだぞ貴様っ!!

「…では、まず、ここに座ってくれ」

そう言って視線で示されたのは、レイヤさんの膝の上。

「ま、まじで!?」

「…?」

「い、いえなんでもありません。

 座ります座ります」

これ、本当にやばい…

カエデちゃんに化けてるってばれたら、即行斬り殺されるわ…

そして、座った瞬間、レイヤさんの腕ががっつり腰を抱いてきました。

あんた、腕痛いんじゃないんですか。

「……お、おまえを落とさないように、だ。

 …………………他意はない」

おーい。

なんですかそのはてしない返事をするまでの沈黙は!?

つ、つか、自分で抱いておいて照れるなや!

こっちまで照れがうつるでしょうが!!!

「…まずは、茶が飲みたい」

「は、はいはい。

 お茶ですね〜」

今なんか、変な匂いがお茶からしましたが、気のせいでしょう。

湯呑を口元まで運んで行って飲ませてあげます。

…新婚夫婦みたいだな…おい…

「…次は饅頭」

「はいはい。

 お饅頭ね〜。

 はい、あ〜ん」

「………あ〜ん」

この人、剣さえ持たせなけりゃ、かわいいんだけどな〜…って

「…うあ?」

い、今、レイヤさん饅頭食べるついでに私の指、

なめましたよね!?

「…どうした?

 そんなに顔を赤くして?」

「い、いいいいいいいいいいや!!

 なめちゃいかんよ、そこっ!!」

「…ああ。

 まんじゅうの欠片がついていたからな。

 …こうして、きれいにしなければ」

「きれいにしなくていいですよ!?

 うん!?」

「…噛んでいないのにそうわめくな。

 ……それとも噛んでほしかったのか…?」

「ふぎゃあっ!?」

なめるだけでなく、甘噛みしてきおった!?

かじかじって!?

「レイヤさんレイヤさん、キャラ変わりすぎ…って

 酒臭っ!!!」

見れば、お兄さん目がトロンとしていらっしゃる!!

このお茶、お茶じゃなくてお酒ですよね!?

「酔ってるでしょ!?ねえ!?」

「…酔っていない。

 おれは酔っていないぞ」

「酔っている人はみんなそう言うんです!!」

じたばた暴れても、腰を抱く腕はびくともしない。

だから、あんた腕が痛いんじゃないんかいっっ!!

「…いい気分だ」

「おふうううおおおおっ」

く、首元に顔をうずめるなお兄さん!!

獣になっちゃいかんぞ!!

はやまるな!!はやまるな!!

「…ああ、饅頭はまだまだあるな。

 ……全部おまえが食べさせるんだ。

 案ずるな。

 ………お前の指、おれが丁寧に、一本残らずなめて、噛んで、きれいにしてやるから」


…な、泣いてもいいですか……?



the end☆