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Re: 浅葱の夢見し ( No.333 )
日時: 2013/07/16 22:58
名前: いろはうた (ID: VHEhwa99)

*「体は大丈夫か?」

「うん。

 ありがとう。

 平気。

 …それより、レイヤは?

 レイヤは大丈夫なの?」

「そんなに心配しなくても大丈夫だ。

 実際、これを作れるくらい、元気だったんだし」

トクマは、布でできた壁を指でさし示した。

「よかった。

 …………ヒタギ、は?」

「無理やりおまえからひっぺはがして、別室で休んでもらってる。

 ヒタギ様の場合、どっちかというと任務の疲れの方が、体にきてるみたいだ」

「そう、なの…」

二人の無事ができたので、とりあえず安心できるる。

吐息が口からもれた。

「ここは、四鬼ノ宮?

 トクマが連れてきてくれたの?」

「ああ。

 あめ買って、戻ってきたら、お前らがいないから、あわてて探しにいったんだよなー」

「………ごめん」

「別に謝ることはねえって。

 それでだな、レイヤ見つけて、ちゃちゃっと敵を倒した。

 そのあと、おれだけ四鬼ノ宮に戻っておれの部隊に招集をかけて、

 すぐにヒタギ様とおまえを探しに行った。

 レイヤはおれがいない間に、お前らの探索。

 そしたら一刻もしないうちに見つけた。

 おまえ寝てたけど」

「……う」

彼らしい実にざっくりした説明だったが大体のことはわかった。

「トクマ、ありがとう。

 あと、ごめんなさい」

「は?

 何が?」

「……私がいたから、襲われたんでしょう?」

レイヤは、敵がカエデを狙っていると言っていた。

カエデの存在がみんなを危険にさらしたに等しい。

「私のせいで———」

「ちげえよ!

 何勘違いしてんだよ!!」

トクマは怒ったように言うと、彼女の細い手の甲を包むように握りしめた。