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Re: 浅葱の夢見し ( No.342 )
日時: 2013/07/19 00:03
名前: いろはうた (ID: VHEhwa99)

*「さて、そろそろ戻らないといけないかな…」

話に一段落ついたところで、ヒレンは息を軽く息を吐いた。

話といっても、カエデの体調のことや、危険なめに遭わせたことへの謝罪、

あとは世間話をしただけだ。

「もうしばらくはよく体を休めるといい。

 何かあったら女官に言いつければいいからね」

「はい。

 お気遣いありがとうございます」

カエデは、立ち上がるヒレンを目で追った。

「うん」

ヒレンはふわりと笑うと、外に姿を消した。

「無理すんじゃないぞー」

「トクマもありがとう」

トクマは軽い音をたてて、布をめくると、同じようにその向こう側に消えた。

「また来るからおとなしく寝とけよ!」

「いや、トクマには任務に行ってもらうから。

 すっっっっごく遠い所にね」

「えええ!?

 ヒレン様!?

 なんでおれだけ!?」

「大丈夫大丈夫〜。

 すぐにヒタギに後を追わせるから」

最後にそう聞こえたきり、辺りはしん、としずまりかえった。



カエデは布団に横たわったまま、ふっと目を閉じた。

(また、ヒタギが…任務に行く…)

ヒレンは遠い所に行かせるとも言っていた。

また、待っているだけの日々。

そんなのはもういやだった。

どうにかして、その任務に連れて行ってもらうことはできないのだろうか。

知らず知らずの間に、カエデの眉尻がさがる。

だが、確実に足手まといなるだろう。

また今回みたいに、ヒタギ達を危険にさらしたくない。



「何を考えている」



「え?

 何を考えているって…きゃっむぐぐぐぐぐ」

突然伸びてきた手に、カエデは口をふさがれた。