コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 浅葱の夢見し ( No.71 )
- 日時: 2013/03/30 21:52
- 名前: いろはうた (ID: vpptpcF/)
*赤ずきんちゃんはなんとかおばあさんの家にたどり着きました。
そっとドアをノックすると、中からおばあさんが出てきました。
ヒレン:「やあ、巫女姫ではないか。
よく来たね。
さあ、お入り」
カエデ:「は、はい!
おじゃまします!」
おばあさんは、笑顔で赤ずきんちゃんを迎え入れました。
ガチャリ
カエデ:「あれ?
今、扉のあたりで変な音が・・・?」
ヒレン:「気のせいだよ。
さあ、イスに座るといい」
そういって、おばあさんは赤ずきんちゃんをイスに座らせると、
自分もそのとても近くに座りました。
カエデ:「ど、どうしてそんなに近くに座るんですか?」
ヒレン:「それはね、いつでも愛らしい君を隣に感じていたいからだよ」
カエデ:「さ、さようですか。
・・・なんでずっと、こっちばかり見ていらっしゃるんですか?
そこの、りんごでも召し上がっては・・・」
ヒレン:「それはね、りんごなんかよりも、もっと食べてしまいたいのが
目の前にあるからだよ」
カエデ:「・・・・・・さ、さようですか。
って、なんで抱きついてくるんですかっ!?」
ヒレン:「野暮なことはきかないでおくれ。
理由なんてきかなくてもわかるだろう?
君を・・・食べたいんだ」
カエデ:「っぎゃああああああーーーー!!
声えろい!
ヒレン様いちいち声えろいです!!
オオカミは一匹で十分ですっ!!」
ヒレン:「まずどこから食べてしまおうか。
この小さくてかわいらしい耳から———」
どっがあああんっ
赤ずきんちゃんが今にも食べられそうになったときに、
突然ものすごい音とともに扉が吹っ飛びました。
レイヤ:「・・・おい、巫女。
ヒレン様を襲うな」
カエデ:「これのどこが、襲ってるのよ!
完全に私が被害者でしょ、どう見ても!!」
扉を破壊してあらわれたのは狩人でした。
カエデ:「っていうか、なんで扉を破壊しちゃうの!?」
レイヤ:「・・・鍵がかかっていて中に普通には入れなかった。
だから、壊しただけだ」
ヒレン:「・・・ちっ。
おまえは、いつもいいところで出てくるね」
カエデ:「ヒレン様、今舌打ちしましたよね!?
笑顔でちっ、って言いましたよね!?」
ヒレン:「気のせいだよ巫女姫」
カエデ:「なんですかそのキラキラしい笑顔は!?」
レイヤ:「・・・とりあえず、ヒレン様から離れろ」
そう言うと、狩人は赤ずきんちゃんを、おばあさんから
ひっぺはがしました。