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Re: 浅葱の夢見し ( No.81 )
日時: 2013/04/19 00:11
名前: いろはうた (ID: VHEhwa99)

*狩人は、おばあさんからひっぺはがした赤ずきんちゃんを
 そっと床におろしました。


レイヤ:「・・・だから、あれほどヒレン様に近づくなと言ったんだ」

カエデ:「話の都合上、行かざるをえないの!」

レイヤ:「なら、何故刀を携帯していない?
     剣士なら、刀は魂であり肌身離さずもつものだ」

 
カエデ:「どこに、刀を持ち歩いている赤ずきんちゃんがいるのよ!」

レイヤ:「今からおまえがなればいい」

カエデ:「もう、遅いです!」

レイヤ:「・・・やはり、老婆役に立候補すればよかった・・・」

カエデ:「台本の打ち合わせのときにそわそわしてたのって
     まさかそれが理由!?
     っていうか、おばあ様役やりたかったの!?」

レイヤ:「・・・おまえが何匹ものオオカミに襲われるよりは、
     おれが、老婆役でぴらぴらした”すかーと”とやらを身に着けた方がましだ」

カエデ:「レイヤ・・・」

ヒレン:「ははっ。
     巫女姫、レイヤにそんなかわいそうなことを言ってはいけないよ。
     レイヤには、このおばあさん役の身に着ける、
     桃色の”すかーふ”とやらがよく似合うだろう。
     赤ん坊のよだれかけみたいでね」

レイヤ:「・・・・・・お褒めにあずかり、光栄に存じます」

カエデ:「ちょ、ちょっと!
     なんで、刀のつかに手をかけてるのよ!」

ヒレン:「礼なんていらないよ、レイヤ。
     思ったままを口にしたまでだ」

カエデ:「どこからそのお札出したんですかヒレン様!?
     っていうか、笑顔がめちゃくちゃこわいですっ!!」

ヒレン:「心配しないで巫女姫。
     少し、後ろにさがって目を閉じたら全部終わるから」

カエデ:「ぜ、全部!?
     何が全部終わるんですか!?」


のどかな”かんとりーはうす”の中とは思えないほどの緊迫した空気が
流れました。


ばっきゃあああーんっ



ものすごい音とともに、今度は壁が緑色の物体に破壊されました。

ホムラ:「カエデーっ!
     無事かーーっっ!!」

カエデ:「きゃあーっ!
     変態っーーっっ!!」

レイヤ:「・・・・・・」


狩人は、無言で刀を抜き放ちました。


ホムラ:「っと、と。
     おい、危ねえな!
     今の、おれじゃなかったら首と胴が泣き別れしてたぞ!」

レイヤ:「変態は・・・切る・・・!」

ホムラ:「なんか、カッコいいこと言ってるみたいな顔だけど、
     おれ、変態じゃねえぞ!」

ヒレン:「おや、じゃあ、動くまりもかな?」

ホムラ:「どっから、まりもなんて発想が出てくんだよ!?」

カエデ:「緑な・・・ところ?」

レイヤ:「・・・丸いところ」

ヒレン:「シダ植物でふわふわしているところかな?」

ホムラ:「カエデはともかく、てめえら、歯ァくいしばれぇええっ!!!」



お父さんの活躍により、かんとりーはうすは、完全に
粉砕されましたとさ☆