コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 「いたずら」ってな、悪い戯れと書くんだぞ ( No.25 )
- 日時: 2013/01/19 15:20
- 名前: コーラマスター ◆4oV.043d76 (ID: Ug45cB3V)
「うわ!なんだ!?」
俺は今日、修行を終えて、行き着けの駄菓子屋にコーラを買いに来ていた。
エビフライは面倒くさいとかで家で留守番中。
駄菓子屋に着き、自転車から降りて地面に足を着けた瞬間、
世界が暗転____。
俺は落とし穴に落ちちまった。それで腰を強打してこのザマだ。
「いてぇ・・・いつもいつもロクなことがねぇ。」
トイレが全部使用中だわ、雪で凍った道で滑るわもう散々だ!
そう思ってたら落とし穴の上から無邪気な声が聞こえてきた。
「どう、ボクの掘った落とし穴は?よく掘れてるでしょ。
コーラチュウドクのおにーさん。」
この声の主が犯人か。とはいっても落とし穴が深すぎて顔が見えない。
ざっと3mはある。どうやってこんな深い落とし穴を掘ったんだよ…。
「というか、俺はコーラ中毒じゃないぞ!
コーラが好きすぎて、飲まないとイライラするだけだからな!」
「へぇ。じゃあずっとそこにいてねー。」
う、それを言われると・・・。この深さじゃあ、登れるはずがないし・・・。
仕方ない、そんなに得意じゃないがやってみるしかない。
意識を集中させる。落とし穴の外へ、穴の外へ意識を・・・。
ヒュウンッ!俺は穴の外へ移動した。もちろん転位の術で。
と次の瞬間、俺は地面に落ちた。
俺の移動した場所が地面から1m程度の高さの空中にあったからだ。
「いてて、また腰を打った。これだからこの術は苦手なんだ。」
本当に今日は厄日だ。これ以上不運が続いたら俺もう鬱になりそう。
すると、前からまたあの無邪気な声が聞こえてきた
「フフフ、面白い術だね、おにーさん?」
やばい、見られた。
騒ぎになるから目撃されるなってエビフライが言ってたのに。
ビビリながら顔を上げるとそこにいたのは____。
「鳥?」
青い小鳥が駄菓子屋前の木に止まっている。
青いと言っても、腹はオレンジ色だが。
「え?」
つい、驚いて声が出ちまう。すると、小鳥が面白そうに行った。
「おにーさん、びっくりしたでしょ。ボクは川の守り神だよ。
いつもボクのいる川で修行してるおにーさんだよね。」
ま、守り神…。今まで妖怪やら幽霊やらは見たことはあったが、
守り神は初めてだな。
「ああ、水曜日は川で修行って決まってるからな。」
俺は動揺気味に言う。そして俺はある重大なことを思い出す。
「ってさっきの落とし穴掘ったのお前だろ!
もう少し人の…」
「うわ!」
ズボッ!守り神のほうに駆け寄った俺はまた落とし穴にはまった。
今度は50cmくらいだがそれでも落とし穴には変わりない。
もう怒った!絶対許さん!
「これもお前が掘ったのかよ!少しぐらい反省・・・
って聞いてないだろお前!!」
守り神が笑いながら言う。
「ププ、聞いて、プププ、るよ、プププ」
「笑うな!!そしてププププうるさい!」
本当に嫌いだこういう奴!人を馬鹿にしやがって!
「アハハハ!じゃあね、もうボクは帰るから。」
守り神が小枝から飛び立つ。その背中もどこかむかつく。
「待てよ!名前ぐらい聞かせろよ!」
名前さえあれば、藁人形で・・・。
「我輩は、守り神である。名前はまだ無い。アハハハ!バーイバーイ」
「ふざけんなぁ!!覚えとけよ!
あとでたっぷり焼肉のタレをぶっかけてやるからなぁ!!」
守り神の背中がどんどん小さくなっていく。逃げられた。
俺は地面に座り込んだ。もうなんか疲れた。
疲れきった俺の目に映ったのは、自販機の中のコ・−・ラ!!
「よっしゃあ!コーラだ!!コーラ!!コーラ!!」
俺は自販機に向かって走り出した。のだが、
ズボッ!!ドシーン!!!
またもや落とし穴にはまってしまった。それも数十mものの。
結界張ってなかったら死んでたぞ、本当に。
はるか遠くに光が見える。どんだけ深いんだよ!
「もう本格的に怒ったぞ!!!
今度会ったときには手羽先のソテーにしてやるからな!!」