コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Re: 巨大G出現!現場に急行せよ! ( No.42 )
日時: 2013/02/28 20:45
名前: コーラマスター ◆4oV.043d76 (ID: Ug45cB3V)

「キャアアアアアアアアア!!!」
休日のある日、家の中に叫び声が響き渡る。もちろん母さんの。
いつものことだしどうせカメムシがいるとかそんなことだろ。
そして俺もいつものごとくコーラを10本飲んでいる。

「ご主人。ママさんの悲鳴が聞こえてますけど?」
これまたいつものようにエビフライがカップラーメンに浸かっている。
「まあ気にすんな。たいしたこと無いから」
まったく人騒がせな声だ。うるさいったらありゃしない。
「しかしですね、今日は声が少し大きい気がしますが?
 それに、叫び声に混じって照明〜という声が聞こえますし」
呼ばれてるのか・・・。それなら仕方が無いな。
放っておいたら後が恐いから。

階段を駆け下り、悲鳴の響く居間に直行する。
今日は居間に父さんがいない。また出張か。やっぱり忙しいんだな。
とは言っても父さんがいないと母さんの悲鳴の相手は俺がしなきゃならない。
あのノイローゼにかかるぐらいうるさい声の相手をだぞ?
面倒くさすぎる・・・。

「母さん、どうしたんだ?」
叫びに叫んでいた母さんがやっと俺に気がつく。
「実は、あそこに大きなゴピーが・・・。」
「なんだよゴピーって!?分からないわ!!」
「家に放送禁止用語に自動的に隠す機能を付けたの!!
 私の言ってるのは、Gから始まるあの生き物よ!!」

家にそんな機能付けてたのか。
あってもなくてもいいような機能なのに。
だが、大体母さんの言ってることはわかった。
説明しよう!Gから始まる生き物とは、ゴ○○リのことである。
これからはこの生き物のことをGと呼ぶことにする。

「で、そのGってどこにいんだよ?」
「あそこよあそこ!!」
母さんが指差した方向を見ると、テレビに張り付く40cmもあるGがいた。
あのう、俺は夢を見ているのかな!?いや夢だな、うん!
あんなでかいGがいるわけないって!!あんな気持ち悪いのが!


しかし、俺が何度頬をつねっても、夢が覚めることは無かった。










Re: G退治、成功しました ( No.43 )
日時: 2013/03/02 08:25
名前: コーラマスター ◆4oV.043d76 (ID: Ug45cB3V)

な、夢じゃない!?
つまりあの気持ち悪い巨大なカサカサ動く物体は現実だというのか?
あのGは実物だと?これは母さんじゃなくてもビビる。
こうなったらッ、殺虫剤を!!

「母さん、殺虫剤どこ?」
「え、台所の戸棚だけど・・・」

台所へ行き、母さんから聞いた戸棚を開ける。
あった!対ゴキ○○用殺虫剤!!
居間に戻り、テレビの上のGに殺虫剤を向ける。


「くらえ!殺虫ブラストォ!!」「待って!」
母さんに腕を捕まれる。
「どうしたんだよ?もうちょっとであのGを・・・。」
「どうしたもこうしたも無いわよ!!
 このテレビ高かったの!!もうちょっと安全な方法にして!!」

テレビなんかどうでもいいって!背に腹はかえられない。
まあ、確かにあのテレビは新品だし、高かったらしいが・・・。
あんなGが部屋の中這いずり回ってると思うとどうだよ。
少なくとも俺は嫌だ。だが殺虫剤使うなってんなら仕方ない。
最終兵器、出動!!

「エビフライ〜緊急事態だ。ちょっと来てくれ」
「わかりました」
「照明?エビフライってなに?どういうこと?」

母さんには霊感が無いからエビフライその他妖怪が見えない。
だから俺のことをたまに気持ち悪がったりする。
「ああ、また照明が独り言いってる。大丈夫かしら」って。

エビフライは呼んで1分ぐらいで降りてきた。
体が濡れてないってことは、ラーメンの汁を拭いてきたのか。
多分それに1分かかったんだろうな。

「ご主人、いったいどうしたんですか?」
めんどくさそうにエビフライが言う。
コイツ、どう考えてもウザすぎる。こちとら緊急事態だってのに。

「あそこにGがいんだよ!お前の力で殺してくれ」
テレビの方に指を差し、エビフライにことの重大さを説明する。
だが、エビフライの表情は全く変わらない。

「あのですね、陰陽道と言うのは、精神の集合体、つまり妖怪を精神によって退治する術です。
 ですから、Gのような生き物は倒さないんですよ」
「よく分からないが、Gは倒せないってことか?」
「そうです。分かってくださいましたか。良かった良かった」「良くないわ!」
「Gを倒せないんじゃダメじゃねーか!そのためにお前呼んだのに!」
エビフライの顔が歪む。さらにめんどくさそうに。
コイツ本当にエビか?エビって皆こんなものなのか?

「倒せないわけじゃありません。無闇な殺生はしないと言うことです。
 偉大なる陰陽師、安倍清明様だってそうおっしゃってますし」
ややこしい。いきなりここで安倍清明使ってくるとは・・・。
「ですが、あのGがいてはママさんも安心して暮らせないでしょう。
 やってみますので下がっていてください」
「テレビは壊すなよ」「ええ」
こうなるとエビフライは頼もしい。今までかなり世話になったからそれが分かる。
あのナルシ雑巾、ファウストを瞬殺したからな。みぞれ並みかそれ以上の実力だ。


エビフライがテレビの方に向き、尻尾を振る。
ヒュン!という音がしてGが消えた。いったい何が・・・。
「転位の術の応用編です。転位の術は自分以外にも使えるのでこういう芸当もできます」
エビフライが自慢げに言う。
さっすがエビフライ。やっぱり術には詳しい!
「今回はテレビを壊すわけにも、死骸を残すわけにもいかなかったので。
 ちなみにGは海底に送りました。多分今頃水圧で潰れてることでしょう」
「おいおいおい、無闇な殺生はしないんじゃなかったのかよ!
 ジャングルとかその辺に送ればいいじゃん!」
「分かってませんね。ジャングルなんかに送ったらそこの生態系が狂うじゃありませんか。
 それに日本だとまた誰かが被害に遭いますし」

分かったような分からないような・・・。
とにかく、ゴキブリがいなくなったし一件落着だな。
叫んでいた母さんも、いなくなったと気づいてホッとしたみたいだし。

と思ってたらまた母さんが叫びだした。
「どうしたんだよ?」
まさかまだGがいるとか?
「Gがいなくなってるじゃない。つまり逃げ出したってことでしょ!
 キャアアアアアア!!」
「それならエビフライが・・・。」
と言っても
「エビフライって何よ!嘘付かないで!!」
と言って聞く耳も持たない。ああ、めんどくさい。
女子高生かよ・・・。いやそれ以上だな。






「助けてええええぇぇ!!!」



その後、俺の家には、近所のおばさんからのクレームが殺到した。