コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 俺の式神がどうみてもエビフライなんだが ( No.56 )
- 日時: 2013/12/07 12:18
- 名前: コーラマスター ◆4oV.043d76 (ID: .HsHtyLH)
迫ってくる妖怪たちはじいさんやエビフライがどうにかしてくれる。
だが、あの数だ。そのうち霊力も体力も尽きてしまうだろう。
だから、急がなければ———。
「5分だ。5分以内にお前を倒してやるよ」
それを聞いて、鵺は歯軋りしながら言った。
「小癪な……。まずお前から焼いてくれよう!」
巨大な光線が鵺の口に溜まっていく。
それを防ぐため、俺は何十個もの水の塊を空中に出現させた。
光線が発射される。
が、水の塊を通り抜けるときに屈折し、俺ではなく妖怪に当たった。
鵺はまた歯軋りしている。
「光の屈折だと……。だが、それなら直接殺してくれよう」
鵺がずしずしと迫ってくる。
「——もう遅い」
俺は指から水を飛ばした。それはきれいな放物線を描いて、鵺の頭上に落ちた。
「身体が……熱い!!グオオオオオオオオ!助けてくれェ——」
鵺の巨大な身体が王水なんかの比じゃないスピードで、侵食され、溶けて行く。
それと同時にゾンビ妖怪たちも消えていく。
もちろんあの水ははただの水じゃない。
「お前にかけたのは、聖水だよ。
一月一日にご利益のある神社の清水を汲んで、すべての陰陽師が拝んで造ったレベルのな」
「グオオオオオオオオ!ガアアアア——」
鵺は完全に融けた。と思ったが、鵺の融けた跡に何かが残っている。
何十匹ものカラスだった。そいつらは目が覚めたように西の山に飛び去っていった。
「鵺は、夜の鳥と書く。もしかしたら、カラスやフクロウなど鳥が集まってできた妖怪かも知れんの」
じいさんが感慨深く呟いた。
空が徐徐に晴れていく。太陽がほっとしたようにまた地上に光を届けてくれる。
そこで、俺は倒れた。負荷が回ってきたようだ。
「ご主人!」「照明クン!」
姫城とエビフライの声がうっすらと聞こえる。
俺の意識は、そこで飛んだ。
- Re: 俺の式神がどうみてもエビフライなんだが ( No.57 )
- 日時: 2013/12/14 18:10
- 名前: コーラマスター ◆4oV.043d76 (ID: .HsHtyLH)
俺はベッドの上で目を覚ました。何時間寝ていたんだ?
寝起きの目には薄紫色の不気味な壁と、エビフライたちの姿が写っていた。
部屋の奥には、これまた趣味の悪い歪んだ時計があり、その針は12を遥かに超えたところを指していた。
「やっと目を覚ましたかのう」
じいさんが笑いながら話しかけてくる。
「ここは…どこだ?」
「銀杏会の中じゃ」
そうか。銀杏会の中か。どうりでこの薄紫の壁に見覚えがあるわけだ。
一瞬、変な宗教かなんかの建物に入れられたのかと思った。
まあ、陰陽師も似たようなものだが。
「ご主人、目を覚ましたのなら、早速行きましょう!」
エビフライが妙にニコニコしながら言った。
なんか嫌な予感を身体全体が感じている。
これってまさか……。
「もしかして、修行か?」
「もちろんです」
「鵺を倒したんだから良いだろ!」
「その後意識を失ったというのに、何言ってるんですか。
ああいう強大な敵がいくつも現れたとしたら、間違えなくやられてますよ」
「はいはい、わかったよわかりました、行けばいいんだろ、行けば。
仕方無……あれ?」
俺の身体の動きがいつもより数段遅い。どうなってるんだ?
そんな俺の状況を察したのか、じいさんが言った。
「どうやら、体中の霊力、気力、体力すべてのリミッターが外れ、
その代償として一時的に動かなくなっとるみたいじゃの。
一日はコーラ飲んで安静にすることじゃな」
じいさんが俺のそばにコーラを置いた。
なんだその薬飲んで安静にしろみたいなの。
ともかく、今日一日はゆっくりできそうだ。コーラもあるしな。
「待ってください。話せるのなら、五行説1000回朗読でもしましょう」
エビフライが何処かから分厚い本を取り出す。これを1000回……。
それって全然安静じゃないよな!?人を殺す気なのかこの揚げ物は!?
———その後、俺は症状が更に悪化し、一週間インフルエンザで寝込みましたとさ。