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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 俺の式神がどうみてもエビフライなんだが ( No.65 )
- 日時: 2014/02/02 11:12
- 名前: コーラマスター ◆4oV.043d76 (ID: WjRoMaRn)
走り続けているとさっきとは違った景色が見えてきた。
一面に広がる岩場。辺りに生えている竹。轟々と流れ落ちる滝。
壮大なこの場所はどことなく神聖な空気を漂わせている。
この秘境を一言で言うなら絶景だ。反対から読んでも絶景だ。あ、違った。
「なんなんだここは……」
「本当ですよ。この森の中にこんな所があるなんて聞いたことありませんし……」
エビフライが辺りを見回しながら言った。
「しかし、こんな場所だからこそさっきの方がいるとも言えますね」
「わかった。エビフライ、辺りに何かないか調べてくれ」
「嫌です」
「協力するって言ったじゃねーか!手伝……てくださいすみませんでした」
エビフライの冷たい視線が俺を貫く。くそ、なんて奴だ。ラスボス級の強さだ。
視線だけで勇者を倒すとかどんだけ強いんだよ。そもそも俺は勇者じゃないが。
「何を言ってるんですか。確かに危なくなったら助けるとは言いましたが、
協力するなんて一言も言ってませんよ」
エビフライが冷徹に言い放つ。くそ、鬼かこいつは。鬼フライか。
「じゃあいったいどうすればいいんだよ?」
「これに登ればいいじゃないですか」
エビフライがそびえたつ岩山を指しながら言った。
確かに頂上まで登れば辺りを望むこともできるかもしれないが……。
「いやいやいや無理だろ! できるわけねーだろ!」
「『できない』じゃなくて、『やる』んですよ」
「何処のブラック企業だよ!?」
「はいはい、さっさと登らないとこうですよ」
エビフライが尻尾を振る。——と同時に竹が一瞬にして切り倒された。
俺は腰を抜かして地面に手をついた。
「——わかった。登る。登るから許してくれ」
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