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Re: “全世界のバカ共に告ぐ!” ( No.2 )
日時: 2015/03/19 13:21
名前: 郁汰 ◆8EiAzCHuJ2 (ID: qJ0dFxMT)




————『人間とは、愚か者のように振る舞う、賢い生き物である。』

                       :アルベルト=シュヴァイツァー















人類が"地球のナカ"だけを治めていたのも、今は昔の話。










————今から10年ほど前。

突如勃発した"とある戦争"によって、地球とその外部を取り巻く形態は大幅に変化を遂げた。








これは、そんな時代に不運にも生を受けてしまった、
ひとりの青年の話——————…

















———————
————
——



事の始まりは、今から2週間ほど遡る。






「…京介、実は大事な話があるの」



いつもお気楽な母さんが、妙に真剣な面持ちで話を切り出したので、俺は思わず箸を止めた。

「…大事な話?」
「ええ、そうよ。すううううっっごく、大事なお話」

口の中に残ったハンバーグを少しずつ噛み砕きながら、頃合いを見て飲み込む。
息子が言うのもなんだけど、母さんのハンバーグはすごく美味しい。
なんならずっと噛んでいたいくらいだ。まぁ、無理だけど。

普段からなんでもオーバーに言いたがる母さんの事だ。
今回もどうせ「パパにおはようメールするの忘れちゃった!」とか、そんなもんだと思った。
いや、厳密に言えば、"そうであって欲しかった"。

「へえ」

短くそう呟いてから、手元にあったコップを掴む。
次の瞬間、俺は母さんの口から、とんでもない事実を突き付けられる事になるのだけれど。














「—————実はね、家族が増えるの」

「ぶっ!?」








その瞬間、俺の口から大量の水が吹き出した。




「…っ、ゲホッ…おぇっ………っはああああああああ!!??」


自分でもみっともない大声を上げる。




確かに俺は現一人っ子だが、兄弟が欲しいなんて望んだ事なかった。
別に今の暮らしで満足してるし、こちとらどこかの誰かさんのせいで毎日大変なのだ。
これ以上なんて…しかも『17歳差兄弟』なんて、今まで聞いたことが無い。


サーッと血の気が引いていく。


「待て待て待て待て待て待て母さん今何歳だ」
「もう、女性にそんな事聞くもんじゃないわよっ」
「いや、だって…」
「まあ驚くのも無理ないわよね…なんせ今日決まったんだもの」
「…は?」






“今日決まった”?

意味が分からない。というか状況を整理したい。






「どういう意味…」
「まぁ口で説明するより目で見たほうが早いわよ!『百聞は一見にしかず』っていうでしょ」


いや使い方あきらかにおかしいだろ…
しかも“目で見る”なんて、ますます意味が分からない。


ひとり困惑の情を隠しきれない俺なんか気にも留めず、母さんは突然バッと右手をリビングの入口の方へ向け、
ハッキリと言い放った。


















「——————こちらが今日から我が家に居候する、“ショウ”君でーす!!」




















母さんが楽しそうに手を向けた、その先に。









“お前”が立っていたんだ。