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Re: 全世界のバカ共に告ぐ!※更新再開!! ( No.33 )
日時: 2013/02/13 20:01
名前: 郁汰 ◆8EiAzCHuJ2 (ID: CFE7lDA5)

「実は…ステラは人間じゃないんだ、ステラは————」


ショウがやけにもったいぶった口調で告げた。
この妙に重々しい空気を楽しんでいるようにも見える。


「あーはいはい精神的にってことだよね確かに常人とはかけ離れてるよねうん」
「最後まで話聞けよ首チョンパするぞ★」
「続ケテクダサイ」
「ステラはこうみえて人形なんだ、ほら」
「きゃっ…」

ステラちゃんが短い悲鳴を上げる。
だが、ショウはそんな事気にも止めずにステラちゃんの白い腕を持ち上げ、
ひょいっと俺の手に握らせた。



ひんやりと冷たくて、やけに硬い。

この感触は———————————…





「蝋人形…?」

「ご名答ー♪」



わざらしくニコニコしながらショウが手を叩く。







「…ってエエェェェェ!!!人形!?このロリっ子が!?」







思わず大声を上げてしまった。

クラス中の視線がイタい…やめろっ見るなァァァ俺を見るなァァァ!!!!!



助けを求めるように和斗に視線を移す…が、やっぱりというか、早速さっきのエロ本にかじりついていた。
人形とわかったとたんどうでもよくなったらしい。
とりあえず荒い呼吸を整え、もう一度ショウを見据える。


「…説明しろよ」
「こないだ某サイトで落札したんだ。ほら、えっと…や、やほー?」
「うん絶対アレだなうん、もうわかったからそれ以上言うなオトナの事情で」
「ホントは別のモノ買う予定だったんだけどね。ちょっとした手違いでさ」
「ふーん…」
「でも知らなかったなあ…オトナのオモチャってあんなに種類あったんだね」
「誰も聞いてねーしィィ!!!つかオマエの性的嗜好なんざまったく興味ねェよ!!!!!」
「まァとりあえず家に置いててもアレだし、連れてきちゃったってワケ」
「だからってココ学校だぞ?連れてくんなよ」
「あれ、キョースケ気付かなかったんだ」

ほれ、とショウがどこからか携帯を取り出す。
そこに写っていたのは……

「これ…」
「キョースケん家、もとい俺らの家の庭だよ」
「その辺は軽くスルーするとして…俺の家こんなデケェ花壇ねえぞ」
「ステラが今朝造ったんだよ」
「はい!?」
「…お花、キレイなんだもん」

俺の声に反応したのか、ステラちゃんがおもむろに振り向いて言った。
相変わらず白い腕はショウの肢体に巻きついたままだが。

「いやいや『キレイなんだもん』って…いやいやいやいや」

俺は一切信じまいと首をぶんぶんと横に振る。いや、普通そうでしょ?
そんな俺の様子にムッとしたのか、ステラちゃんは語気を強めて続ける。

「すごいんだよ、あの肥料…お花が全部真っ赤に染まるの…まるで人間の血肉のように」
「表現がグロい!」
「だから京介の家にも咲かせてあげようとおもって…その…真っ赤なアジサイを…ウフフフフ」
「余計なお世話だァァァ!!!」

そこで、ショウがやれやれといった様子で口を挟む。

「…だから連れてきたんだ」
「うっ…納得できるような腑に落ちないような…」
「キョースケいいじゃん!クラスメイトが増えてさ!」
「いやあのそーゆー問題じゃねえんだけど」



俺がもう一文句言ってやろうと思ったその時、どこからかけだるげな声が聞こえた。



「…ほーいほい、じゃあHR始めんぞー。さっさと座れやクソガキ共ー」