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「…左から順に、瀬川、初嶋、ステラ、沙羅月、ショウ———————…だ」

ニノマエが、サラサラと黒板に名前を記していく。
お世辞にも上手とはいえない、ミミズのような字で。

「んじゃ、順番に自己紹介してもらうぞー。瀬川、いけるか？」

先頭の黒髪ロングヘアの子が、真っ赤な顔でうなずいた。



「…瀬川姪だ。仲良くしてくれると嬉し………いです」
「初嶋悠夜でっす！趣味はピ—をピ——してピ—する事！皆ヨロシクネ」
「すっ、ステラ・ニーナ・ネヴィル…です。お花と占いが好き…」
「さ…沙羅月愛奈！仲良くしてほしいなんて思ってないんだからねコノヤロー！」
「んーと、ショウです。苗字は無いかな。気に入らないヤツは容赦なくシメるんで」


最後にショウが、ピッと首元で親指をスライドさせた……のは見なかった事にしておこうか。


『キタァァァァァ女子全員可愛い子キタァァァァァァァ！！！！！』
『イケメンｈｓｈｓイケメンｈｓｈｓイケメンｈｓｈｓイケｍ(ry』

クラス中が、歓声や、黄色い声で包まれ始める。

「あーあーあー、お前ら発情期の犬ですかァ？静かにしろっつってんだろが」

ニノマエが、お得意の低ボイスでその場を鎮静したのもつかの間。




「ショウくんは好きなモノとかないのー？」

一人の女子生徒が手を挙げた。
先ほどやたらとｈｓｈｓ言ってた奴だ。

「好きなモノ…？」

ショウは一瞬考えるそぶりを見せ、




「トロイカ、かな」
「トロイカぁ？」

ニノマエが片眉を上げた。







あれ…なんか…イヤな予感がするんですけど…







「まさに俺の半身って感じです」

生徒達も、さっきの女子も、普段聞きなれない言葉に多少動揺しているようだ。

『トロイカって、ロシアのアレ？』
『恋人とかだったりし…イヤァァァァァァァァァァァ』
『トロとイカか…じゅるっ』
『お前アホだろ』
「…えっと、ショウ。悪ィがトロイカってのは…なんだ？」
「やだなァ先生。コレですよ」





ガチャリ。

重厚感のある音がしたかと思うと、ショウの後ろから見覚えのある物体が—————…





「“Gears of war”ってゲーム、知らない？あれに出てくるのとほとんど同じ型なんだけど」


イカつく黒光りした、いつかの機関銃だった。







「やっぱりかよォォォォォォ！！！！！！！」





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