コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 全世界のバカ共に告ぐ!※CV聴けるようになりました!! ( No.64 )
- 日時: 2013/03/25 10:54
- 名前: 郁汰 ◆8EiAzCHuJ2 (ID: CFE7lDA5)
バンッ!と扉を押し開ける音がして、反射的に視線を移す。
みるみる瞳孔が開いていくのが自分でもわかった。
「キョースケ…?」
「ッ、なにっ…し、てんだよ…」
ハァハァと荒い呼吸を整えながら、キョースケが怒りをこめた声で言う。
ひたいににじんだ汗が、ポタリと音を立てて落ちた。
「————————ほう。彼が“キョースケ”、ねえ」
ヌエが意味ありげに呟く。
「キョースケ、なんでココにいるの?邪魔だから下がっててよ。ヌエはキョースケごときに殺れる相手じゃない」
できるかぎり冷たく言い放つ。
…早く失望してくれ。
犠牲者も気にせず茶番をくり広げようとした、バカな俺に。
「キョースケ君…といったか。君は何も知らないようだから、教えてあげるとしよう」
ムサい友情なんていらないんだ。
そんなの邪魔なだけ。
「彼…ショウは、ただのスパイなどではない」
暑苦しい感情なんていらないんだ。
そんなの混乱するだけ。
大体、俺はビジネスで地球に来た。
地球の機密情報を外部に流して、結果的には地球を征服する。
そんな汚い仕事のために。
全部、上からのご命令だけどね。
「仕事をまっとうするためであれば、あまたの人間を片手で抹殺する…凶悪な殺人鬼だ」
…ってことで、俺達はハナから仲良くなんてできない。
オトモダチごっこも、これでおしまい。
「今回、彼はこの地球を支配するつもりだ。つまり、君達人類の敵なのさ」
早く、早く、早く。
いつかのトレンディドラマみたいに、奇声でも発しながら逃げてくれよ。
「——————————…るよ」
「ほう…?」
「…ンな事…知って…るっ…つってんだよ!!!!」
「キョ…スケ…?」
「俺は、コイツの事まだなんも知らねェ。コイツが今まで何してきたかなんて、みじんも興味ねェ…!」
————————————ねえ、お願いだから……
「…アンタのいう通り、今までのコイツの笑顔は造られたモノなのかも知れねェ……けどな、」
キョースケが、一段と大きく息を吸う。
「そのニセの仮面はがしてやんのは俺らの役目だろォがァァァァァァ!!!!!」
パチン
俺の中で、なにかがはじける音がした。