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Re: 全世界のバカ共に告ぐ!※参照2500突破!! ( No.179 )
日時: 2013/08/28 16:59
名前: 郁汰 ◆8EiAzCHuJ2 (ID: CFE7lDA5)

「…庭織色雅です!桜庭高校のみんな、よろシッキー★」


顔の前にピースを被せながら、悩殺ウインクをばっちり決められノックアウト。
次々と周囲から上がる、歓声や歓喜の声。
そしてそれらに笑顔で答える、スカイブルーの髪の彼女。


「アレがアイドルか…やっぱレベル高ェな」

和斗がニヤニヤ笑いながら彼女へ視線を送っている。
間もなく『顔キモいよ』と沙羅月に一蹴されていたけど。


(テレビで見た有名人が、こんな近くに…)


興味本位で見にきた分際だけど、やっぱり俺らとオーラが違う事は明らかだった。






パチッ

「ッ!」





弾みでこちらを見たシッキーと、刹那、視線が合う。

それと同時になぜかみるみる引きつっていく、彼女の顔。




え?ェ?何か俺顔面についてる!?




「ああああああああああああああ—————!?」




突然シッキーがこちらを指差したかと思うと、口をパクパクさせながら叫びだした。
無論、大勢の生徒たちもこちらにドスドスと視線を突き刺してくる。

ショウの事件で耐性がついたとはいえなんでこんな目に…神様ヒドイ

訳もわからず硬直していると、シッキーがハッと気がついたように息を呑む。
どうやら、自分の言動が周りの視線を集めていることに気がついたようで。
そして一瞬、大きなため息をつかれたかと思うと—————…


「ちょっとアナタ来てくれるっ…!?」
「え、うわっ!?」


ガシッと右手首を掴まれ、強制的にその場から連行される。
左手に、しっかりショウの手首を掴んでいた事も忘れて……




——————
———
——




「…っハァ……」

軽く息を切らしながら俺たちが駆け込んだのは、中庭の隅の植え込みの中。
幸い後をつけてきた人物はいないようで、シッキーがホッと息をついた。



「…ココまでくれば誰も来ないかしら」

「あ、あの…?」



掴まれたままの手首が熱い。


うわーアイドルってマジ肌白いんだなスベスベだよ髪もなんかいい匂いするし!!!!
手首とかちょっと力入れたら折れそうなんだけどマジいい匂い…


「…おい」
「スイマッセンんんんんんんん!!!」



気がつくとシッキーが蔑むような視線で、俺を睨んでいた。
っていうか何!?シッキーってホントはそーゆーキャラなの!?


「…その横の男はお前の連れ?」

「え?えっと、連れとゆーか…」

「キョースケの飼い主のショウです★」

「…ヘェ、いい趣味してるじゃん」

「オイィィィ!!一体どんなプレイしてると思われてんだァァァァァ!!!!!」







バサッ








——————次の瞬間。



空高く放り投げられたのは、シッキーのトレンドマークの青髪。

ツインテールに縛っていた赤いリボンも、共に空を舞った。








「…ェ?」



なに?何が起こったの?





「…突然連れ込んじまってワリーんだけど、バラされると困るんだよね」





まさか。
まさかまさかまさかまさかまさかまさかまさかまさかまさかまさかまさかまさか







ポカンと口を空ける俺の前で、“彼女”はとんでもない真実を告げる事になる。











「俺様が、誰もが羨む『シッキー』の正体————————錦川礼央だ」











あの時の少年が、目の前に立っていました。