コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 全世界のバカ共に告ぐ!※更新再開!! ( No.193 )
- 日時: 2013/11/24 12:11
- 名前: 郁汰 ◆8EiAzCHuJ2 (ID: 1kYzvH1K)
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「はあ…ホントに夢みたいだよな…」
うっとりと頬杖をつきながらそう呟いたのは、俺の親友・有羽場和斗だ。
幸か不幸かこのクソ寒い季節に一番テラス側の席に命を受けた彼は、
今中庭で絶賛ドラマ撮影中のアイドル、シッキーを視姦…
否、「オールウェイズ・シッキー・見放題・イェア゛ァァ゛ァアァ(‐以下略‐)」という特典を同時に授かっている。
ちょうどうちの教室は中庭の真上に位置しており、全体を見晴らすことができるのだ。
もちろんヤツの目線は完全に窓の外、黒板なんかチラリとも見ちゃいない。
それでも常に成績上位な出来杉君タイプ。ドブに落ちて死ねばいいのに
「ホントもう食べちゃいたいくらいかわいいよなシッk…」
「…」
「……のツムジ★」
「いや別にそこ濁らせなくていいから!!かえってヘンタイみたいになっちゃってるから!」
ってかアレほんとはヅr……
思わず出そうになった言葉を慌てて飲み込む。
『みんな、よろシッキー★』
——————あの笑顔の可愛いキューティーエンジェルが
『口外したらアナタ達まとめて血祭りに挙げちゃうから』
————実はチンピラまがいのオス犬だったなんて
(口が裂けても、絶対に言えねェェェェェェェ!!!!!!)
しかも、万一口外したらもれなくショウと仲良く血祭りの刑なのだ。
想像してゾゾっと悪寒が走る。
あ、そういえばショウはバラしてねーだろうな…?
俺は和斗から見て右斜め前の席。ショウは一番廊下側の一番後ろの席。
横目でショウの様子を伺うと、ヤツはマシンガンを枕代わりにしてスヤスヤと眠っていた。
すげーなオイ!!!!ほっぺボコボコになりそうだけど!!!
…とか思いながらも、寝れるくらい呑気なら大丈夫だと一人安堵する。
(これなら俺があまりシッキー…もとい錦川に関わらなければこれ以上問題は起こらねェな)
ホッと胸をなでおろした時、至極マッタリした先生の声が耳に入ってきた。
「は〜い。じゃあ皆さんも五・七・五・七・七で短歌をつくってみましょぉ〜ね♪」
…そうだ、今は現国の授業中。
ハッと我にかえりシャーペンを握りなおした途端、後ろからトントンと肩を突かれた。
なにかと思って振り向くと、そこにはニンマリとした和斗の顔。
「ねえねえ見て俺オレの考えた短歌」
そう言われるやいなや、ずいっと俺の眼前に突き出される一冊のノート。
エッもうできたの!?あんだけシッキー見てニヤついてたくせに!?早っ!!
よしいい部分があったらパクらせてもらおー…なんて気持ちでそのノートを受け取り、
パラパラとページを繰っていく…
…と。
“雪如く 淡く透けゆく 衣の下に ちらりと見ゆる 桃色パンティー”
…パキッ(京介がシャーペンを握りつぶした音)
「オイオイオイオイオイ下心あふれ出してる!!!つかそんな歌誰も詠むワケねーだろ!!」
「あえて字足らずを用いる事で、やりきれない男ゴコロを表現してみました(真顔)」
「その表現力は秀逸かもしれないけどさァ…もっとサァ…マシなの考えね?」
「もー注文が多いなあ京介くんは…感性ってモノがないのかね」
「オマエは一体コレから何を感じさせようとしてんだよ!?」
俺の必死のツッコミをハイハイと聞き流し、和斗は俺の手中にあるノートをヒョイとつかみ
再びペンをサラサラと動かした。
そして30秒もたたないうちに再びソレを突き出される。
「ま、今のはほんのジョーク。これが俺の本気だよ、京介」
先ほどよりも乱雑な字で書かれたソレは—————…
“ちょっとくらい ラッキースケベ期待しても いいじゃない 人間だもの :かずを”
「『み●を』風になっただけだろがァァァァァァァァ!!!」
…こんなヤツが学年7位なんて、絶対に認めません。