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- Re: 全世界のバカ共に告ぐ!※未奈美ボイス公開!! ( No.247 )
- 日時: 2015/03/19 21:03
- 名前: 郁汰 ◆8EiAzCHuJ2 (ID: qJ0dFxMT)
「ショウ…お前ッ、!!」
「———で。いつまでそうやってるつもりなのかな?」
俺のつっかかる声に半ば被せるようにして、ショウが青髪の女の人に尋ねる。
…いや、尋ねるなんて手ぬるいモンじゃねェ。
字ヅラだけでは分からないが、相当ドスの効いた———
“ある意味”、俺の聞きなれた声だった。
「…へえ。バックレるんだ」
すると。
ショウは突として、抱き留めていた女の人の前髪をグイッと引っ張ったかと思うと
己の眼前まで引きずり近づけた。
「ちょっちょちょちょ…ショウ!?何してんだよ!!オンナだぞ!!!!」
これがその辺の薄っぺらい少女マンガなら、最近ハヤリの『壁ドン★』だの、『床ドン★』だのになぞらえて
『顎クイ★』ならぬ『髪グイ★』みたいなかんじでトキメキを生むのかもしれないが
あいにくショウがやると確実に前髪の毛根が死滅してしまうだけである。
幸か不幸か、この時間帯、この路地付近には人気が少ないため第三者に今の状況を見られてしまう可能性は低いけれど、
いやまあそれらを踏まえてもオトコがオンナに手を出すのはやっぱ良くないコトでして。
先ほどニット帽に踏まれた痛みで未だ動けず、その場でのたうち慌てる俺を尻目に、
ショウは相変わらず煌々とした瞳をそっと細め、オンナへ吐き捨てるように呟いた。
「…ホント、地球人は時々なに考えてんのかわかんなくなるよ」
(…アレ??)
そこで、俺はある違和感をおぼえた。
さっきまで…デブヒゲたちがいた時は焦燥しきったカオだった女性が、今では何の抵抗もせずにショウの方を見つめている…どころか
まるで獣を射るように睨み返していたのだ。
その瞳には、余裕の色さえ見てとれるほど。
「————…チッ」
女の人は端正な横顔を不機嫌そうに歪めるやいなや、
そのカオには似合わない盛大な舌打ちをショウにお見舞いした。
そして。
「あーあ。バレてたのかよ」
青いロングヘアがふわりと宙に浮き、明らかに聞き覚えのある、オトコの声が発せられた。