コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 全世界のバカ共に告ぐ! ( No.248 )
- 日時: 2015/03/21 12:52
- 名前: 郁汰 ◆8EiAzCHuJ2 (ID: qJ0dFxMT)
「ほォんと余計なコトしてくれたよなァ。あんなザコ、適当に金巻き上げてボコって帰るつもりだったのに」
「お、オマエはッ…!」
ジャキン。
そんな音と共に、スルスルと地面に螺旋を描くロープ。
と同時に、パサリ、と音を立てて地面に落ちる、サラサラロングと赤いリボン。
そして俺の目の前には、それと同色の髪を掻き上げながら、手持ち無沙汰にナイフをグルグルと回し、至極ダルそうな表情を浮かべている、
クソ生意気なガキがひとり。
「あはは。予想的中♪」
ショウが嘘くさいセリフを述べながら、楽しそうに手を叩いた。
「ショウ、オマエいつからわかってっ…」
イマイチ状況を呑み込めないまま、重い身体を持ち上げつつ問う。
「良い"オンナ"の顔は忘れない。特に、それが世を翻弄するスーパーアイドル様ともなれば、ね」
「…」
「へェ…さすが数多の女を抱いてきたタラシ野郎なだけあらァ」
「女に化けて世間を欺いてる拝金主義野郎よりはマシだと自負してるよ」
元より大きめな目をかっ開きながら、べえー、とショウが挑発気味に舌を出した。
錦川はピクリと眉を動かして、ひどく不機嫌そうな表情を浮かべている。
…このままだとヤバイ事態になりかねない。
段々緊張し始めた空気を打破すべく、俺はうわずった声で錦川に問いた。
「と、ところでなんであんなヤツらに絡まれてたんだ?」
「知るかよ、ふつうに現場から帰ってたら絡まれたんだよ。どーせヒマなチンピラだろ」
そこまで言った所で、『あ。そういえば』と錦川が思い出したように続ける。
「『"ダイ"を見てないか』とか聞かれたな」
「!」
その瞬間、確かにショウの表情がガラリと変わった。
いうなれば、吃驚と愕きの念が入り交ざったようななんとも形容しがたい表情。
でもすぐに元の調子を取り戻して、お得意のヘラヘラスマイルが貼り付けられる。
「そんで、見てねーっつったら急にお持ち帰りされそうになったんだわ。
マジ、好きな子を前にしてガマンできなくなった中坊かよーってな」
アハハ、とバカにしたように高笑いする錦川。
いやお前はリアルに中坊だろ!!!!!!!!!!というツッコミは胸に秘めておくことにしよう。そうしよう。
「ていうかさ。俺を買ってくれたんだよね?おにーサン」
突如、錦川がショウに近づいた。