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Re: 不良物語 ( No.8 )
日時: 2013/01/15 13:58
名前: しょめ (ID: DSoXLpvQ)
参照: http://syome

「……って感じで雅を救ったの」
陽気に話す沙鬼に、大鬼と一鬼の顔は、呆れ顔になっていた。

刹那、雅の目が一瞬変わった。
今までの弱々しい目ではなく、鋭い殺気のこもった目。
——こいつ、危ない……。
大鬼は一鬼に伝えようとするが、沙鬼が「ねぇ?」と言って振り向いたため、目は戻ってしまった。

——さっきの目はなんだったのだろうか…!?

「へぇ、雅って名前なんだ、お前。いいぜ、ココにおいておいてやる。感謝しな」
一鬼の上から目線。
どうやら一鬼は目に気づいていないようだ。
「なぁ大鬼、こいつ弱そうだし暴れなさそうだから、いいだろ?」
一鬼が大鬼に問いかける。
大鬼はさきほどのめは気のせいだと思い、
「あぁ……」
しょうがなく雅を受け入れた。

昼休みが終わり、再び辺りがシンッとなった。
授業が始まったのだろう。
と言ってても二人は授業に出ない。
サボりである。
これについては雅は口を出してこなかった。
ただ遠慮しているだけだろう、と大鬼は思うことにした。

ついさっき、沙鬼が暇だから久々に授業を受けてくると言って、出て行った。
残されたのは大鬼、一鬼、そして、雅だけ。
大鬼達を繋ぐ唯一の存在の沙鬼がいないので、何とも言えぬ雰囲気が漂っていた。

「おい、女ァ……」
「雅」
大鬼の声を遮って雅は言う。
さっきの弱々しい声とは別物の、強気で暗くて冷たくて重くて、そして低い言葉。
背筋がゾッとする。

「お前、何者だ……。この学校へ何しに来た!?」
さすがの一鬼も気づき、警戒する。

再び女——、雅は二人を嘲嗤うように怪しく、妖しく嗤った。