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Re: 【投票願】不良物語【参照40ありがとう!】 ( No.21 )
日時: 2013/01/12 00:34
名前: しょめ (ID: APtAoOSh)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel1/index.cgi?mode

大鬼は今、公園を抜けた裏路地にいる。
もちろん何の目的もなしにこんな場所にいるのではない。

「兄貴に貰った紙だと、ここらへんだな」
そう言って彼はキョロキョロを辺りを見渡す。
「チッ。ダメだ……。最近イライラしかしてねぇ……」
自分でも情けない。
彼はそう思う。
「クソッ。こんな場所で行き詰っていたら”アレ”が見つからねぇじゃねぇか……」
そうだ。
”アレ”がないと、裏の街にはいけない。
そう、大雅は言っていたのだ。

「ねぇ、岡崎大鬼君でしょ?」
突然後ろ声をかけられた。
いつもの癖で振り向きながら距離を置くために飛ぶ。
「誰……」
言葉が詰まった。
その容姿に戸惑ったのだ。

そこにいたのは妙齢の男。
冬場でもないのに、黒のロングコートを羽織っている。
ちゃんと礼儀正しくコートには全てのボタンがかかっており、中は見えない。
唯一見える衣類はジーパンのみだ。
おまけにコートのフードを深々と被っている。
フードのせいで顔は見えない。
しかし少し開いている所から見える口元は楽しそうに歪んでいた。
そう、笑っている。
男。
長身の男だった。
185cmは軽く超えているだろう。

「お前……、誰かに似て……?」
言葉に詰まったのは、容姿のせいだけではない。
どこか似ていたのだ。
誰かは思い出せない。
でも、何か記憶が引きずり出されるような……。
「気のせいですよ」
彼の口が更に歪む。
気のせいだと本当にいいのだが……。
「それはそれで……。岡崎大鬼君でよかったね?」
「あぁ」
彼の疑問に短く返事。
弱点を握られたらひとたまりも無いからだ。
「そうか、君が大鬼君か」
心なしか一瞬”そいつ”の威力が増したような気がする。
コイツ……、危ない……。
大鬼は心の中で彼を警戒する。
「用件はなんだよ」
短く、短く。
なるべく相手に悟られないように……。
「あぁ、そうそう」
愉快そうに言う。

「申し遅れたね。俺は裏の街で少し名の知れた情報屋の如月創也だ。
ちゃんとアイツから話は聞いているよ」