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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 不良物語 ( No.40 )
- 日時: 2013/01/18 18:49
- 名前: しょめ (ID: SG7XrUxP)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel1/index.cgi?mode
「さて、入るよ」
創也の短い言葉で我に返る。
「入る」とはどういったことなのだろうか……。
ふと考えていると、目の前の壁からピーッと甲高い音がした。
瞬間、微振動。
壁が——、動いている。
いや、開いていると言うべきなのだろうか。
とにかく奥に新たな道が出来たのだ。
躊躇うことなくその奥へ進んでいく創也。
ここで戸惑っていたら完全に創也を見失ってしまう。
しかしここで着いていったら。
それこそ俺の日常も終わりを告げることになるのだろう。
まぁ、元々俺の日常なんてありきたりなんだがな。
——この先にあるのが裏の街だ。
新たに確認する。
「来なよ」
短く、軽快な声が聞こえてきた。
創也の声だ。
彼はこちらに背を向け右手をヒラヒラと振っている。
躊躇うことなど何もない。
限られた友情を救い出すためにも。
俺は固唾を呑んだ。
右足が新たな道を踏む。
続いて左足。
これで完全に裏の街への侵入に成功したといえる。
——ここで全てが終わる。
自然に拳が硬くなった。
「フフッ、来たね」
不自然に響く声。
不協和音のような不快を感じさせる。
「ようこそ我が裏の街へ!
俺の客人として大鬼君の侵入を許可しよう!」
不協和音が高々と宣言する。
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