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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: §モノクロ:コード§ ( No.6 )
- 日時: 2013/02/02 17:07
- 名前: しょめ (ID: s1qwLtf7)
- 参照: http://syome
門が開く。
それは言葉通りに、廊下を閉ざす門が開く、とのことだ。
少し、城からの空気が僕の頬をかすめる。
「……っ」
僕を含め、3人とも緊張した面持ち。何かが、起きる。
「——入れ」
城の威圧感が倍に増したようだった。たった一言で。重量よりもはるかに重くのしかかる声。
「失礼します」
二人はそう言ってさっさと先へ行ってしまう。
真っ暗だった。何も見えない。気がつけば、二人の姿は消えようとしていた、置いていかれる。僕は「失礼します」と小声で言いつつ、素早く二人の後を追う。
目の前に、青白い光。しかし、それはディスプレイの光とすぐに分かる。その光に逆光して現れる、黒い影。それが人だというのには時間は要らなかった。
この人が——、管理局の人。お偉いさんだという。
「管理人、彼が目を覚ましたご様子。運んでまいりました」
紀伊さんの、かしこまった声。僕の首筋に冷ややかな汗が通る。何だ、この人。威圧感が……。
「ありがとう、コード:02よ。コード:06と共に門の外に出ていろ」
「了解しました」
二人が僕をすれ違う。
「敬語に気をつけて、よく聞いていれば大丈夫ですよっ」
瑠璃が小声で僕に言った。
「あ……」
バッと振り返ったが、そこには闇しか残されていなかった。これで、ここにいる人は僕と管理人っていう人のみ。
「国ヶ屋明人、だな」
「……はい」
「いきなりで大変驚いたことだろう。すまなかったな」
「あぁ、あの、いえ……」
「ふむ、単刀直入に言おうか」
一旦言葉を止め、管理人は再び言う。
「君は選ばれたのだよ。モノクロ:コードに。——コード:07に!」
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