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Re: 【投票願】§モノクロ:コード§【参照20ありがとう!】 ( No.11 )
日時: 2013/02/02 17:20
名前: しょめ (ID: s1qwLtf7)
参照: http://syome

「ここですわ」
 目の前に、大きな扉。
「……ここは?」
「コード達の集会所、通称大広間ですわ。新入りがいるので、多分皆いますわよ」
 そう言って紀伊さんは扉を開ける。

 広い。それが第一印象。
「ここが家の中で一番広い場所ですわ」
「家?」
「えぇ。私たちコードは家と呼ばれる地下に住んでいますのよ?」
 なら、ここは地下ってことか。地上が気になるが、今はやめておこう。

「皆いますわね」
 つい広さに囚われて、気づかなかった。真ん中に大きめの丸机。それを囲むように座っている男女。僕と紀伊さんを除いて、5人。さっきいた瑠璃もいる。

「紀伊、そいつが今回の新入りのコード:07 明人か?」
 ずっしりとした声だった。管理人とはまた一味違う、威圧感がある声。
「えぇ、そうですわ」
 それをまるで慣れたかのように答える紀伊さん。この人は一体誰なんだろう。
「じゃあまずは自己紹介しねぇとな」
 その人が、立ち上がる。

 威風堂々とした姿だった。覇王のような目つき・雰囲気、近寄りがたい。その男性が、口を開く。

「覇流だ」
 3文字、一言だった。でもずっしりと——、重い。体中に響く声だった。痺れる。
「あぁ、えぇと……」
 とにかく何か喋らなくては。しかし、それが失敗だった。
「臆病者が。口を開くな」
「ひィ……!」
 体中が痺れた。痙攣を起こしたように震える。何が起きたんだ。
「ごめんなさいですわね」
 少し間違ったような上品な言葉で紀伊さんが小声で僕に言った。
「覇流はオドオドしてる人が嫌いなのよ。だから、あの、とかはやめたほうがいいわ」
 あぁ、なるほど。いわゆる『王様』がいるから、か。

「ちなみに覇流は、コード:01。モノクロ:コードの指揮者だわ」
 紀伊さんが言う。
「偉そうな者じゃねぇさ」
 それに答えたのは、覇流さんだった。さっきとは違う、少しだけ穏やかな声。まぁ威圧感は残るが。
「覇流は肝が据わった人を好みますわ。私たちには優しいんですのよ。明人も変わったらいいと思いますわ」
 再び紀伊さんが僕に小声で言う。

 ——変われ。
 何かが反響。否、声。否、自分の声。
 そしてそれは、反響しては消え、再び反響して消える。