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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 【参照200突破!】モノクロ:コード【コメント大募集中♪】 ( No.46 )
- 日時: 2013/02/02 17:40
- 名前: しょめ (ID: s1qwLtf7)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel1/index.cgi?mode
——コンコン
シンッとしている空気に、この音は小さくても十分に響いた。数秒の沈黙。その後に声。
「だぁれぇ?」
その声の主こそ、目的の人物だった。コード:03である上総さんだ。相変わらずの棒読み口調。そして語尾を伸ばす癖。いまいち感情というものが掴めない人だ。
扉が開く。姿を見せたのは、先ほどと同じ服装の上総さん。黄色のフリフリなワンピースはとても愛らしくて似合っている。僕と同年齢なんだけどな……。この格差は何だろう。やはり越後といい上総さんといい、この双子には僕とは違う何かがあるのだろうか。
「あぁ、瑠璃ちゃんに明人くんじゃないですかぁ。『家』訪問ですねぇ。越後から聞いてますぅ」
「え、越後にどうやって……」
「あれぇ、明人くん知らなかったんですかぁ。私たちの部屋には一台ずつそれぞれの部屋にしか繋がっていない電話が普及されているんですよぉ。さっきそれで越後から連絡受け取りましたぁ」
眠たくなるような声だった。語尾が伸びていてゆったりしている。
ヒョイッと忘れ去られていることが嫌だったのか、瑠璃が僕の脇を抜けて上総さんの部屋の中に入る。
「黄色ですねーっ!」
少し気になったので僕も少しだけ覗いてみる。上総さんは快く了承してくれた(語尾が伸びているので正確な気分までは分からなかったが)。
確かに黄色だった。瑠璃の部屋の緑まではいかないが、所々にある家具には黄色のワンポイントがついている。
「黄色が好きなだけですぅ」
まるで僕の疑問が聞こえてたかのように。彼女は淡々と相変わらずの話し方で言う。まさか彼女も鋭いのだろうか。確かに双子なら弟の性能を受け継ぐのも可能だろう。……この双子、少しだけ警戒せねば。
「そんなに警戒しなくていいですよぉ」
「……」
あっさり見抜かれてしまった。
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