コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 【参照200突破!】モノクロ:コード【コメント大募集中♪】 ( No.53 )
- 日時: 2013/02/02 17:46
- 名前: しょめ (ID: s1qwLtf7)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel1/index.cgi?mode
それだけで中にいる人がどんな人なのか分かってしまう。そんな扉の前に垂れ下がる板。そこには堂々と『コード:01 覇流』の文字。少し足がすくむ。
ポンッと何か肩に優しい感触。見てみると紀伊さんが僕の肩に手を置いて微笑んでいる。そもそも僕は何に怯えているのだろう。ふと思った疑問。そこからプラス方向に持っていくのは簡単だった。覇流さんはオドオドしている僕が嫌いで。堂々としていた僕に笑いかけてくれた。なら今ここですることは一つ。
——堂々とするだけだ。
そう決めて、僕は二人の前に出る。大きく深呼吸。一息落ち着く。そうだ、さっきは出来たのだ。だから今も出来る。自信に満ち溢れているかのようだった。
——コンコン
軽快で少し拍子抜けた音が響く。
「誰だ」
数秒経ってから威圧に満ちた声が聞こえる。僕は生唾を飲み込んで言う。
「コード:07 明人です。部屋訪問に来ました!」
堂々と。僕は張り切って言った。
数秒経って、扉が開く。先ほどと変わらない、威圧感たっぷりの覇流さんだ。僕はなぜか顔の緊張が綻んでいた。
「明人、か。大したもんだ」
そう言われて覇流さんは奥に引っ込む。それに続いて扉が閉まる。これは一体何を意味したのだろう。
「成功ね」
紀伊さんが小さく呟いた。
「え?」
「成功ですねっ! 私の時も同じでしたしっ」
成功とは、きっと覇流さんの機嫌を損ねなかった、とのことだろう。一体基準がどんな風になっているのかが気になるのだが。それはそのうち分かるだろう。
「さて、これで全員の部屋は回ったわね。じゃあ後は施設案内ですわ」
紀伊さんがお腹の前で手を重ねて言う。
「姉御、了解です!」
「じゃあ瑠璃任せたわよ」
僕の知らないところで話が進んでいるような錯覚。僕のことなのに、僕が話に入れなかった。
「瑠璃、施設って?」
少し不安になって尋ねる。すると瑠璃はこちらを振り返って。先ほど何も無かったかのように最初と変わらぬ笑顔で。彼女独特の明るさを解き放ちながら説明になっていない言葉を言う。
「はいっ! 施設とは私たちに必要となる必要最低限のものが集まった場所です。快適に過ごせる場所になっていますよっ!」