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Re: 【参照200突破!】モノクロ:コード【コメント大募集中♪】 ( No.54 )
日時: 2013/02/02 17:48
名前: しょめ (ID: s1qwLtf7)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel1/index.cgi?mode

「へ、へぇ……」
 説明にも何もなっていない彼女の言葉だが、僕は受け止めることにした。ダメだ、瑠璃のあの涙を見てから、彼女にやたら気を使っている。でも僕はそんなに起用じゃないから。心の底から謝ろう。何だろう、僕は馬鹿なのか。そんなことしても彼女の不安なんて救ってあげれない。本当に、僕は何も出来ない。情けない、何もない男だ。

「じゃ、向かうは大広間です!」
 大広間。確か僕たちが軽く自己紹介を済ませた場所だ。
「でもそこならさっき行ったんじゃ」
「いや、違うんですよ明人さんっ! ”あの奥”にあるんですっ」
 瑠璃はやたら”あの奥”を強調する。でも思えばあの大広間には僕が入った場所以外に扉なんてなかった。しかし彼女は「ある」と言うが、一体——。

 そうこうしている間に大広間に着いてしまう。大広間は覇流さんの隣に位置しているので、割と近い。
「さてさてそれじゃあ見せましょうっ!」
 瑠璃が少しおどけて言う。もしかして彼女は。ふとそんなことを思ったが、やめておこう。これ以上傷を抉るのは好ましくない。

「私たちモノクロ:コードが誇る、全最新技術の施設ですっ!」
 そう言って瑠璃は自己紹介の際、覇流さんが座っていた席の向こう側まで移動する。そしてそのまま。
「え、瑠璃!?」
 消えた。スウッとなくなるかのように消える。思考回路が追いつかない。一体どんな技術が。いや、それよりも瑠璃は。
「明人さん、こっちですよっ!」
 瑠璃が消えた奥の壁から聞こたのは彼女の声。
「……っ」
 何をしてもしょうがないのなら。やってみるだけやろうじゃないか。僕は挑むんだ。そんな大したことじゃないのに。僕は混乱したのか少し大げさに表現してしまう。

「瑠璃、今行くよ」
 僕はそう言って瑠璃が消えた壁のほうへと歩を進めた。