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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: モノクロ:コード【人気キャラ投票実施中っ!】 ( No.68 )
- 日時: 2013/02/02 18:05
- 名前: しょめ (ID: s1qwLtf7)
涙を拭いて、大広間の外へ。そこには優しく微笑んでくれている紀伊さんの姿。今の僕には彼女の言っていることが分かる。
——さぁ、行きますわ。
そう言っているに違いない。
大広間から管理局までは少し遠い。道中僕らは無言だったけど、その無言には温かみがあった。どことなく、ホッとする。
大きくて滑稽な城、コード管理局。紀伊さんはこちらを向いく。
——行ってらっしゃいですわ。
彼女はそう言った。だから僕は同じように返事を返す。
——行ってきます。
「コード:07だな。入れ」
数時間前に聞いた、覇流さんとは違う威圧感が凝縮されたような声。ビビッちゃだめだ。心の中にいた過去の僕がそう呟く。そうだ、ビビッてどうする。
母が、紀伊さんが、覇流さんが。たくさんの人が僕の先の道を照らしているのだ。逃げたらだめだ。
だから僕は大きく息を吸って。そして大きく開いた扉をくぐる。
「ある程度は聞いたようだな」
青白く光るバックに設置された無数のディスプレーのせいで管理人の表情は分からない。彼は全てお見通しだと言わんばかりの口調で言ってくる。多分——、楽しんでいるのだろう。
「さてとコード:07。私はまだお前の判断を聞いていない。さて、どうするつもりだ。ここに残るか——、社会で死ぬか」
半ば強制的な選択だ。でも僕にはそんなの関係ない。だって最初から応えは決まっていたのだから。
「はい。僕、ここモノクロ:コードで生きます」
*第一:コード『不安と友情』 【完】
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