コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 【祝 参照300】モノクロ:コード【キャラ投票中っ!】 ( No.74 )
- 日時: 2013/02/02 18:07
- 名前: しょめ (ID: s1qwLtf7)
*第二:コード 『憎しみのその果てに』
「あ、明人さんっ! 管理人さんとのお話は終わったんですねっ!」
滑稽な風貌の城の扉を閉め、振り返ると瑠璃がいた。相変わらず、変わらない笑顔だ。その笑顔が僕を温かくしてくれることを、彼女は知っているのだろうか。いや、知るわけないだろうな。
「うん、瑠璃。今日から僕は国ヶ屋明人じゃない。コード:07 明人だ」
このモノクロ:コードにはいくつかの掟がある。
一、モノクロ:コードは政府の極秘機関であり、他言は許されない。
二、主となる仕事は我が国を騒がす自然現象である怪異の抹殺であり、躊躇は許されない。
三、コードとなった者は過去を忘れるべく、苗字を捨てる。
四、学生年齢は規定となる学校へ通うこと。ただし、上位のコード(コード:01、コード:02)は監視役が含まれるため、学業は無視できるものとする。
五、以上の四点を守れないものは直ちに脳内を洗浄され、モノクロ:コードから追放する。
基本的なことばかり書いてある。少し前までは二の掟なんて拒否をしていただろうに。ほんの数時間、そこでの大きな成長だった。三に至っては、母と共に守り誇ってきた国ヶ屋の姓を捨てることになるが、僕はそれさえも振り切った。だって母はそんなこと望んでいないだろうに。きっと母は僕がしたいことを優先するに違いないのだ。だから僕は国ヶ屋の姓を捨てた。いや、捨てたというより、封じ込めた、のほうが正しいのかもしれない。今の僕はコード:07 明人なのだ。
「そうですかっ! つまりは正式にコード仲間入りってわけですねっ!」
瑠璃が嬉しそうに弾んだ声で言う。凄く凄く嬉しそう。僕はそれが微笑ましかった。
——刹那だった。スーパーなどでよく流れるアナウンスが僕の耳に入る。
『コード:01、コード:03、コード:06、コード:07、出陣命令。
繰り返す。
コード:01、コード:03、コード:06、コード:07、出陣命令。』
呼ばれたのは4人のコード。覇流さんと上総さんと瑠璃と——僕だ。
「瑠璃、出陣命令って何……?」
そう言って僕はふと瑠璃を見る。——彼女は笑っていた。狂気が含まれた、どこか禍々しい笑みだ。一瞬僕は足を引いてしまう。
「る、瑠璃……?」
恐る恐る聞いた僕に気づいたのか、瑠璃はそのままの表情で答える。
「明人……、あたしの憎き怪異のお出ましだ」
僕は血の気が引いていくのを感じた。