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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 【第二:コード突入】モノクロ:コード【キャラ投票中っ!】 ( No.75 )
- 日時: 2013/02/02 18:10
- 名前: しょめ (ID: s1qwLtf7)
瑠璃が変わった。それは比喩表現でも大げさでも何でもなく、そのままの事実。性格、口調、表情何もかも全てが一変した。
明るくて優しかった彼女が——鬼のような、何かに憑かれたような、何か異変。当然そんなもの僕が一人で解決できるわけじゃない。
「何をビクビクしてんだよ、お前。あたしは臆病者嫌いだったんだよ」
『だった』、過去形。彼女は——瑠璃ではない。
「だ、誰だ! 瑠璃に何をした!」
「失礼なガキやな。あぁ、そうか。まだ瑠璃のほうが年下なんやな。悪ィなガキンチョ。今のあたしはお前より年上なもんでなぁ」
舌なめずりをするように、僕に言ってくる。誰だ、お前は。そう叫びたかったが、恐怖と不安に駆られて上手く言えない。
「あぁ、そうそう」
瑠璃の姿をした”ソイツ”はひとりでに歩き出して言う。
「あたしは瑠璃ちゃうで。あたしは碧(みどり)っちゅうねん。正真正銘、瑠璃の双子のお姉ちゃんや。まぁあたしは怪異にやられて死んでんやけどな」
関西弁で彼女は言う。とてもとても愉快そうに言う。瑠璃の姿をした——しかし彼女ではない、一昔前のような、関西弁口調で話す彼女は言う。瑠璃の双子の姉、碧さん。一応年上とのことだから、”さん”はつけておくことにする。それが瑠璃の中にいる”ソイツ”の正体。それに瑠璃が時々見せる、寂しそうな表情。絶対に碧さんの死と何か関わっていると思う。
「おーぃ明人。お前、あたしに置いてかれてもいいのか」
碧さんは振り向きもせず、歩きながら言う。
そうだ、怪異が姿を現したのだ。怪異の出没、瑠璃の豹変、碧さんの出現。絡まるこれらの謎は交差し、矛盾して消える。
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