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Re: 【第二:コード突入】モノクロ:コード【キャラ投票中っ!】 ( No.82 )
日時: 2013/02/02 18:14
名前: しょめ (ID: s1qwLtf7)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel1/index.cgi?mode

 しばらく沈黙が続いている。それは今に始まったことではなく、怪異が出現した場所まで移動するヘリコプターに乗った時からだ。
 覇流さんは何が考えているように腕組みをしている。上総さんは元々感情が読み難い人なので想像しずらいが、ボーと外を眺めている。瑠璃——碧さんは声には出さないものの、楽しそうに椅子に座っている。まるで待ち遠しかった遊園地に連れて行かれるように。
 そして僕は、そんな碧さんについてを考えていた。元々僕は人と接することが苦手だ。だからその人について凄く考え込んでしまう。癖ではなく、そうしないと自分が不安になるからだ。だから今回も例外ではない。仲良くなった瑠璃が突如変貌、未だによく分からない状態。覇流さんや詳しい人に聞けば早いのだが、それを碧さんに知られたらますます僕の立ち居地というものが無くなる。それだけは避けたかった。一番望ましいのは本人の口から直接聞くことなのだが。多分碧さんには無理だろう。

「見えてきたで。あれがその山や。今も燃えとるな」
 僕の考え事は、そんな碧さんの何気ない声で打ち切られる。僕は考え事をやめ、碧さんが指をさした山を見る。外を見ていなかった僕は気づかなかったが——、辺り一面赤い色。燃え滾っている炎が次々と森林を飲み込んでいる光景。声なんか出なかった。火事ならテレビや近所で見たことある。でも、この大迫力な光景は。そんな軽い火事なんかを飲み、上書きしていくのだ。想像を絶した光景。近所の火事など、火の粉の舞みたいなものだったのだ。

 その山に近づくにつれ、だんだん暑いと感じてくる。ヘリコプターが上昇気流によって少し揺れる。そんな時に覇流さんは言った。
「そろそろ降りるぞ。明人はここで待機、他は出陣だ」