コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 【第二:コード突入】モノクロ:コード【キャラ投票中っ!】 ( No.86 )
- 日時: 2013/02/02 18:17
- 名前: しょめ (ID: s1qwLtf7)
- 参照: http://ameblo.jp/syome1
「出陣だ!」
覇流さんのまとめる声がヘリコプターの中に響き、反響する。その声はとても凛々しい。
「はいっ!」
その覇流さんの声に応えるように。僕以外の二人の声が響く。
「ほな、行ってくるからな。明人はここにいてあたしらの戦いを見とればいい」
「え……」
「なぁに、大丈夫やて。あたしのこの怨念の血が滾っとる時はやられへん」
違う、僕が言っているのは不安だからじゃない。ここからどうやって戦うか、それだけなんだ。でも碧さんは、そんな僕の心の声を聞かずにヘリコプターから姿を消す。
「じゃあ俺らも行くか」
「行きましょうかねぇー」
覇流さんの威圧感のこもった凛々しい声。それに続いて聞こえるのは上総さんの相変わらずのやんわりした口調。これが戦う前の——戦士の姿。
そして皆僕の前から消える。僕は皆が降りたところから姿を出すけど、どうも熱気と上昇気流によって無理みたいだ。皆はこの中を降りた。それは僕よりも気が入っていて、やる気だということの証だろう。僕には——まだその勇気がない。まだ見せかけの勇気だ。
ふいに爆音が響く。僕は驚いてヘリコプターから落ちそうになるのを必死に阻止した。
「な……何!?」
すぐさま爆音が聞こえたところに視線をやる。
一部の山の炎が増していた。一瞬何事かと思ったが、よく考えたらそれは違うと分かる。なぜなら、その高く舞い上がった炎の中に、3つの影があったからだ。このタイミングでここで見える人影。それは先ほどこのヘリコプターから降り立ったあの3人。それしかいないだろう。そしてその3つとは違う影。人影とはとてもじゃないほどかけ離れた、忌々しい形の影だ。
「何、アレ」
その影は人のように動くこともなく、規則性に動いているわけでもない。形容するなら、軟体動物のような、気持ち悪い動き。
その4つの影は、再び炎に飲み込まれるように消えた。