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Re: モノクロ:コード【感想COME!】 ( No.125 )
日時: 2013/02/06 16:03
名前: しょめ (ID: DSoXLpvQ)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel1/index.cgi?mode=view&no=31534

 ヘリコプターが止まる。再び、身が外に投げ飛ばされるのを僕は阻止する。
 辺りを見渡す。ずっと変わらない炎の量、強さ。額から汗がにじみ出てくるので、僕はそれを右手の甲で拭って一息つく。それにしても暑い。きっと僕以外の3人はもっと熱い戦場で戦っているんだ。そう思うと自分が情けなくなってくる。自分はここで突っ立っていていいのか、と。
 しかしそれは管理人からの命令で、覇流さんからの命令でもある。背くわけにはいかない。グッと堪える。

「明人ぉ!」
 ふいに、下から僕を呼ぶ声。声の主へ視線を向ける。
「碧さん」
「悪ィな、全然聞こえん!」
 姿は見えなかったものの、声の主は瑠璃である、碧さんだ。彼女は僕を馬鹿にしたような、笑いを含んだ声で僕に言ってくる。でもどこか落ち着く声。僕の表情が少し緩くなる。
 どうしてだろうか。少し前までは瑠璃が豹変し、凄く警戒していたのだが、いつのまにかこんなにも親しくなっている。
「明人ぉ、もうそっちに行くからなぁ!」
 きっとこれは彼女が人懐っこい性格だからだろう。人を外見だけで判断するのはだめだ。それは僕も同じ。
「待ってます!」
 腹からめいっぱいの大声を出した。こんな状況だが、とても清々しい。思えば大声なんてここ何年か出していない。本当に彼女、いや、皆にはいろいろなことを教わる。自分が生まれ変わったみたいだ。

 一つ、大きな爆発が僕の下で起きる。その衝撃でヘリコプターが大きく揺れたが、落ちる心配はなさそうだ。
 さっき碧さんは「もうそっちに行く」と言っていた。ということは、この衝撃でもう決着が着いたのだろう。彼らは勝ったのだ、きっと。
 少し、好奇心が大きくなったのを感じた。