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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: モノクロ:コード【感想COME!】 ( No.134 )
- 日時: 2013/02/13 17:47
- 名前: しょめ (ID: Y8zst102)
- 参照: http://mb1.net4u.org/bbs/kakiko01/image/1009jpg.html
「逆戻りしたんですねぇ」
棒読みでそう告げられる。上総さんだ。
そして彼女の背中には——、
「る……瑠璃!?」
瑠璃だ。彼女はグッタリとした様子で、上総さんに抱えられている。何が起きたのだ。
「軽い衝撃ですぅ。失神しているだけなので、安心してくださぃ」
上総さんは、何事もなかったように淡々と話す。思えば『家』にある施設では世界最高の医療施設がある。なら、瑠璃は助かるのか。
「…………」
お互いに沈黙が訪れた。
瞬間、下で爆音。驚いて僕の涙は引っ込んだ。だが、その恐怖からは逃れられない。
「覇流さんですぅ。たぶん残り始末でしょうねぇ」
ヘリコプターに乗り込んだ上総さんが僕に言いながら瑠璃を寝かせる。
瑠璃は目を瞑っていてよくは分からないが、どことなく明る気な表情。——きっと碧さんの精神が消えたのだろう。幸か、不幸か。
ドンッとヘリコプターが揺れた。何事かと思い、視線を瑠璃から外すと——覇流さんがいた。
「あ、えぇと……」
なんて言えばいいのか分からない。すみません?僕は弱かったです?分からない。だって彼は僕に失望しているんだ。
「帰るぞ」
「了解ですぅ」
少し怒気がこもった声で、覇流さんはそう言った。それは僕にも言わず、上総さんにも言っていない。上総さんは応えたが。
多分、覇流さんは自分自身に言ったのだろう。
そしてヘリコプターはそのままゆっくりと『家』の方向へ。
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