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Re: モノクロ:コード【感想COME!】 ( No.172 )
日時: 2013/02/24 14:56
名前: しょめ (ID: qs8LIt7f)
参照: http://mb1.net4u.org/bbs/kakiko01/image/1068jpg.html

「普通でいいんですよぉ」
 そう言って上総さんは庭の中心部——僕たちが管理局から上がってきた場所へ歩く。僕は置いていかれそうだったので、慌ててついていく。
 僕と上総さんが中心部へ行くと、ゴウッと地面が揺れた。
 それは地震でなければ、異常現象でもない。ただ単に、庭の一部がエレベーターのように下降しているだけのことだ。

 ガタッと少し揺れて、下降していた庭の一部が停止する。それは管理局についた証拠だ。
「お疲れ様だな」
 ふいにそんな威圧感がこもった声。覇流さんではないその声は、この『家』や僕らコードを管理している管理人だ。
「大丈夫ですぅ」
 上総さんが管理人にそう言う。それは心がこもってない声だった。ただ、業務的に答えているように。
 管理人と上総さんにどんな関係があるから知るはずもないが、明らかに何かはあると思う。
 だって何かがないと、こんな他人にそっけない態度は取れない。僕がお人よしなだけかもしれないが、きっとそうなんだ。

 でも、ふと僕は思う。
 常に不機嫌な覇流さん。上品だが少し間違っている紀伊さん。独特の表現をする上総さん。元気で鋭い越後。無口で喋らない月夜さん。明るくて支えになってくれている瑠璃。
 ——どれも、個性が強い。
 だから、それ故僕は困ってしまう。
 本当に僕はモノクロ:コードに選ばれたのかを。そして僕の生きる意味を。
「気にするな」
 後ろから声が聞こえた。その時に我に返った僕は、上総さんがもういなくなっていたことに気づく。だとすると、僕に声をかけたのは一人だ。
「何を……ですか?」
「奴らだ」
「え?」
「コード:01もコード:03も、いつもあんな感じだ。特に気にする必要はない」
 そう管理人は言い放った。その口調は冷たくて、どこか皆を蔑んでいるような感じ。僕は背筋が凍るのを感じた。
「コード:06に至っては、よく怪我をする。いつものことだ。気にするな」
「えぇと」
「何だ」
「……いえ」

 言えなかった。
 管理人の威圧に負けたのか、それともただ言う勇気がなかったかは正直分からない。
 でも、言えなかった。

 彼らはそんなんじゃない。