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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: モノクロ:コード【感想COME!】 ( No.173 )
- 日時: 2013/02/25 17:44
- 名前: しょめ (ID: Tm4QTnE9)
僕はその言葉をグッと呑み込む。まぁ、どちらにしても言えなかったのだ。呑み込んだところで無意味なんだろう。つくづく自分の無力さを知る。
他の皆は僕を守ってくれたのに。僕は何もできないんだ。——守られてばかりの弱虫だ。
「……失礼しました」
自分の情けなさと不快な空気に押し潰され、僕は管理局を後にした。
「明人!」
管理局を出るなり、声が聞こえた。今日はよくふいに声をかけられる日だ。
「越後……」
僕は声の主にそう応える。声の主、越後は今まで僕に見せた表情ではない表情をしていた。
「どうしたの、そんな——泣きそうな顔して」
「る、瑠璃が……!」
「瑠璃が……」
「……」
越後から、その先の言葉は出なかった。でも、大体は分かってしまう。彼が何を言おうとしたのかを。瑠璃がどうなっているのかを。そして、今の僕のことを。
「あ……」
目の前に人影。それは長身で、癖毛で、イライラしたような雰囲気。
覇流さんだ。
覇流さんは、僕と越後のことが見えていないような振る舞いで僕らの横を通りすぎていく。どうやら、後ろにある滑稽な門が目印しの、管理局に用があるようだ。
覇流さんがその門を押す。微風がここまでも伝わってくる。
「コード:01か。どうした」
「瑠璃の容態についてだ」
後ろからそんな管理人と覇流さんの声がきこえてくる。僕は少し気になって聞き耳を立てたが。
「瑠璃は——」
しかし、そこでバタンッと門が閉まり、何も聞こえなくなってしまった。
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