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Re: モノクロ:コード【感想COME!】 ( No.185 )
日時: 2013/03/02 14:27
名前: しょめ (ID: /BuoBgkT)
参照: http://mb1.net4u.org/bbs/kakiko01/image/1090jpg.html

「…………」
 僕と越後の間には沈黙しか流れない。越後に至っては、グッと押し黙って何かを堪えている。
 いや、何かは僕には分かる。
 涙、だ。
 思えば越後と瑠璃はよく性格もキャラも合う、見ていても楽しそうなコンビ。その片割れを今失うか失わないかの瀬戸際まで立たされているのだ。確かに泣きたくなる。
 そう思うと、僕の頬にもそのものは伝わってきて。それは確認しなくても分かるもので。一度出たら次々に出てきて止まらなかった。
 何が悲しいのか分からない。越後に同情したのかもしれない。でも、よく考えてみる。
 彼女は、僕のお世話係。僕をいつも笑顔で支えてくれてて、楽しそうに、僕に気を遣ってくれていた。
 そんな——強い子だった。
 そしてそんな強い子を——僕が今危険なことに晒してしまっている。
 それは許されないことだ。やっぱり、僕は迷惑しかかけない弱虫で。
 当然そんなこと思い出したら涙が止まらなかった。止められなかった。

「泣くなよ……っ」
 声を、涙を押し殺した様子で目の前の少年は言う。彼の目にもうっすらとその涙は出てきていて。でも彼はそれをグッと堪えて。
 そして言うんだ。
「泣いたら……、お前が悪いみたいじゃないかっ……」
 そんな嗚咽が混じったような声で。
 必死に涙を出さまいと堪えてる声で。
 彼は悔しそうに呻いた。
「瑠璃はっ……、お前を助けようとしただけなんだろ……?」
 そう問いかけてくる。
 その目からはもう涙が溢れている。それなのに彼はまだ堪えようとしていた。
 あぁ、強いな。僕は素直にそう思ったんだ。
「僕が悪いんだ」
「違う!」
 不思議だった。涙が出ているのに、言葉がはっきりと出る。もしかして僕は泣いていないんじゃいか、そう思うぐらいに普通に話せれた。
 でもその言葉に目の前の泣いている同級生は全力で否定して。キッと僕を睨みつけた。そして再びその嗚咽が混じった声で言うんだ。
「明人は悪くないんだ……。こんなこと、今更始まったことじゃないんだ。でも、瑠璃——碧さんが怪異にやられる時は、決まって重症なんだ……」
 項垂れるように、彼は呟く。
 その中でも僕は不謹慎ながらも、越後も碧さんのことを知っているのか、と思う。
 ひょっとしたら、7人いるコードの中で一番狂った性格なのは僕なのかもしれない。
 常に不機嫌な彼でなく。優しい彼女でもなく。天然で何を考えているか分からない彼女でなく。目の前で泣いている彼でなく。常に無表情で冷徹な彼でなく。今、生死と戦ってる彼女でなく。


 一番狂っているのは、今泣いた振りをしている僕なんだ。僕は自覚したんだ。