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【 間接から 】 ( No.3 )
日時: 2013/02/02 15:11
名前: 〒... しあち。 ◆InzVIXj7Ds (ID: Ti.DGgQd)





「おーう、買ってきたぞ。あぁ寒ぃさみー」

真二がコンビニから帰ってきた。薄着で行ったから寒そう。
鼻まで赤くしちゃって、時季外れのトナカイみたい。

「ありがとー。何買ってきたの?」
「酒、チーズ、塩辛とか色々買ってきた」

最初お酒とつまみしか買わないって言ってたのに、チョコとかスナック菓子まで買ってる。

「色々って……」
「まぁいいじゃねえか。飲もうぜ」

真二はそそくさと缶ビールを開ける。話逸らしたね。
私も缶チューハイを開ける。プシュ、とリンゴの香りがした。

「カンパーイ」
「カンパーイ」

乾杯をし、美味しそうに飲む真二。
そんな飲み姿を横目で見ながら飲んでいると、真二が「飲むか?」とビールを差し出してきた。
それを受け取り、ゴクッと一口飲む。美味しいね、と言おうとしたら、先に真二が言葉を放った。

「これって間接キスじゃね?」

思わず吹きそうになった。何を行き成り言い出すのよ、この男は。
それより、さっきから開かない塩辛に集中しなさいよ。

「な、何言ってるの、行き成り。吹きそうになったじゃないの」
「いや、何となく言っただけだけど……」
「な、何?」

開けかけの塩辛を置き、私の方を向く真二。
顔は普段通りおちゃらけているけど、真剣な眼差し。

「間接より、直接の方が良くね?」

え、えーっと……。

「よ、酔ってます?」
「酔ってねぇよ、マジだ」

嘘だ、その言葉は放たれる事は無かった。

「で、キスして良いか?」
「……今したじゃない、ばか」

不意打ちのキスに顔が熱くなるのが分かる。
絶対今、顔真っ赤だ。

「馬鹿ってお前。それで、返答は?」
「う、ん。お、おっけーで……んぅ……っ」

言葉を言い切る前に、またキスをされた。
それはさっきのキスではなく、深い深いキスだった。


(リンゴうめぇな)
(……ばか)








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