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Re: 狼たちと同居中。【3/15までアンケート実施中!】 ( No.117 )
日時: 2013/03/14 18:18
名前: 朔良  (ID: 2IhC5/Vi)

     第7章 ピンチです。

「別に良いんじゃない?」
 暴言を吐かれる覚悟でいたのに、飛び出てきたのは意外な言葉だった。
「え……良いんですか?!」
 私は泉君に友達がここに来ても良いかという交渉をしていた。絶対却下されると思っていたのに、あっさりと『良い』と言われた。
「何でわざわざ俺に確認とるわけ?」
 そ、そんなに私に心を許してくれているのか、泉君は……!!
「あゆみさん、勘違いしない方が良いよ」
「へ?」
 今の話を聞いていた和希さんが後ろから声をかける。
「そうだよー。どうせ泉は自室にこもるんでしょ?」
 呆れたような顔をしながらリク君も続く。
「当たり前だろ。それ以外にどうしろっていうわけ?」
 泉君が表情一つ変えずに言う。
 てっきり泉君も一緒に居てくれるのかと思った私が馬鹿だった。でも、ゆきの為にもなんとか泉君にも一緒に居てもらいたい。
「あ、あの、皆さんは私の友達が来るのは良いのですか?」
「別に良いんじゃね? 女の子ウェルカムだし!」
 真さんが言う。あいかわらずの女好きだ。
「とにかく、俺は参加しないから」
 スパッと泉君が言いきる。でも、当日はなんとかしよう。
「じゃあ、パーティ開かないとねー」
「え、そんなことしなくても……」
「だーめ! あゆみちゃんの大事な友達が来るんだから、盛大にしなきゃ! ね?」
 リク君が私の顔を覗き込む。
「リクはあゆみさんの料理を食べたいだけだろう?」
「ばれた?」
 和希さんがリク君の本音を当てる。いつも和希さんは皆を扱うのがうまいなあ。
「なあ、それ俺の友達も連れてきていーか?」
 真さんが言う。真さんの友達って誰だろう。
「あゆみ……顔に出てるぞ。聞きたいなら聞けば良いのに」
「へ?!」
 真さんがニヤニヤしながら言う。
「あーっ! 真、あゆみちゃんのこと名前で呼ぶようにしてる!」
 リク君が大声を出した。その言葉を聞いて、泉君と和希さんも『そういえば……』という顔になる。
「な、なんだよ! 別に良いだろ? あゆみだって俺と和希のこと名前呼びになってんじゃねーか」
「え、それは……そろそろ、呼んでもいいかなーて……。迷惑だったらやめますけど……」
 さすがの私も『ダメ』と言われれば傷つくけども。
「……ダ、ダメなんていってねーだろ!」
 怒ったように真が言う。
「……素直に嬉しいって言えば良いのに」
「泉君? 何か言った?」
「別に……」
 泉君が何かを呟いたようだが私には聞こえなかった。
「及川仁と睦月翔だよ!」
「あー、真がよくつるんでるよね。あのめんどくさがり人間と中二病人間でしょ?」
「……隠しきれない悪意を感じるぞ、リク」
 めんどくさがりに中二病……? 随分個性的だな……。

 でも、とりあえずは大丈夫だ。あとは泉君をパーティ? に参加させるだけ! ……いや、私が星屑荘に住んでいる理由を話す方が先か。



                   第7章 続く