コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 狼たちと同居中。【3/15までアンケート実施中!】 ( No.122 )
- 日時: 2013/03/15 16:33
- 名前: 朔良 (ID: 2IhC5/Vi)
第8章 星屑パーティー
〜今回はリク、泉メインです〜
「お、押すよっ、インターホン!」
「はやく押しなさいよ、伊代音。柄にもなく緊張しちゃって……」
その言葉に押され、伊代音は星屑荘のインターホンを押した。
「はーい」
声と共に扉がひらいて出てきたのは園田リク。
「おおっ……?! 『学園内一番の癒し系イケメン』園田リク君……!」
伊代音が興奮しながら言う。
「あはは、僕そんな風に言われてんのー?」
はじめて見せた笑顔にクロが少し動揺した。
「は、はじめまして、私佐山ゆきと申しま……」
真面目に挨拶するゆきの声をさえぎり、リク君はゆきの腕をつかみ、家へと招いた。
「ひゃあああ?!」
腕を掴まれたゆきは顔を赤くしながら引っ張られる。
「そんな堅苦しいのはよしてさ! 早く入りなよ!」
満面の笑みでリク君が言う。その横で伊代音がクロに耳打ちする。
「……妬くなよ、クロ。ゆきの本命は『孤高の騎士』平井泉なんだからさ」
意地悪そうに言う伊代音に言い返しながらクロも入る。
「妬いてなんかないわよ」
「おじゃましまーす……」
少し躊躇しながら3人は部屋に入る。
「あ、あゆみちゃん」
キッチンに居る私を見つけてゆきは私に声をかける。
「ごめんね、今料理作ってて……」
「……あゆみ、その横に居るのは『優しさ100%スマイル王子』梅澤和希……?」
クロが口元に手を当てながら言う。
「あ、どうも……梅澤和希です」
私は和希さんの方を向きながら呟く。
「優しさ100%、ね……」
「あゆみの友達も来たか」
座っている真さんが言う。もう真さんの友達は到着していた。
「あ、ども。及川仁っす」
「……我が名は翔・デサイナー!」
「あ、本名、睦月翔て言うから」
横から真さんが突っ込みを入れる。
「すみません……あと盛り付けだけなので和希さんにお願いしても良いですか?」
「ああ、頑張って」
「はい!」
私はそう言いながら階段を上り、泉君の部屋を目指す。
その途中、泉君と会った。
「い、泉君? もしかして参加してくれ……」
「……早く、終わらせなよ」
「うん!」
自分から参加してくれようとする泉君に感謝した。
その後、パーティは楽しく順調に進んでいった。
「ねえ、そこの皿とって」
泉君が私に言った、私は皿を取り、ゆきに渡した。
「これ、回して」
「え、あ、……ど、どうぞ」
ゆきは顔を真っ赤にさせながら泉君に手渡す。
「……どうも」
「あゆみちゃん! そこの布巾取ってほしいんだけど……」
私はゆきにしたときと同じようにクロに渡した。
「……どうぞ。布巾よ」
「……ありがとう」
少し引きつったような笑顔でリク君が言う。
そうしているからか、及川さんが私を見つめていたことには気づかなかった。
「お前、なにあゆみのこと見つめてんだよ」
真が言う。
「好きなのか? あの女のこと」
続くように翔も言った。
「ん、なわけねえだろ! 俺はもっと……グラビアアイドルのような子が良いんだよ」
「……へんたーい」
ふざけるように真が笑って言った。
問題はその後だった。
皆が帰った後、片づけをはじめてすぐ、リク君と泉君が私の腕を掴み、そのままリク君の部屋へ直行したのだ。
「な、へ?! な、何ですか?」
「アンタ、今日なんなの?」
泉君が近づきながら言う。
「そうだよ。僕と泉をことあるごとにあゆみちゃんの友達と近づけようとして……」
リク君との距離も狭くなる。
「そ、れは……」
私は本人達には言えない恋の理由を必死で隠す方法を考えた。でも、時間が足りなかったようだ。
「なんか、むかつくんだよね。そういうことされると」
そう呟きながら、リク君が私をベットに押し倒す。
第8章 続く