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Re: 狼たちと同居中。 ( No.134 )
日時: 2013/03/17 16:50
名前: 朔良  (ID: 2IhC5/Vi)

        第8章 星屑パーティ 2

「きゃ……」
 自然と小さな悲鳴が出た。
 リク君にベットに押し倒された。
 何だろう、この少女マンガのような展開は!
「リ、リク君はこんなこと……しないよね?」
 本人に同意を求めても仕方がない気がしたが、今の私にはそれしかなかった。
 そう言った途端、リク君が悪魔の微笑を見せ、私の腕を拘束した。片手で頭の上に持っていかれる。華奢なのに、私はあっさりと身動きが取れなくなる。
「……あゆみちゃん、知ってた?」
 そう言いながら私の耳元に顔を寄せる。
「—?!」
 上にリク君がいるため足も動かせず、私は何も抵抗出来ない。
「……男って、みーんな狼なんだよ?」
「ひゃあ?!」
 耳元で囁かれ、ついでに息も吹いた。
 そして、リク君は私から離れ、笑顔を見せた。
「覚えておいた方が良いと思うよ? あゆみちゃん」
「は、はひ……」
 私はようやく起き上がろうとしたその時だった。
「……まだ」
 泉君に腕を引っ張られる。勢いで抱きしめられているように立ち上がった。
「な……え?!」
「俺、アンタに好きかってされるのなんてお断りだから」
 そう言いながら、唇が近づく。触れそうな程近づき、泉君は呟いた。
「……アンタのこともっともっと……狂わせてやるよ」
「え? な、何言って……」
 そう言ったら、泉君は私を乱暴に払い、ベットへと倒した。
「分かった? あゆみちゃん? 僕たち、あの子たちの気持ちはきずいてるんだからね? 僕たちは、自分から動いてほしいってこと。あゆみちゃんは見守っているだけで良いんだよ」
「もし、またこんなことしたら……」
 泉君が少し間を取り、私の目を真っ直ぐ見据えて告げた。
「……今度は、公開処刑だから」
「こ、公開処刑……?」
 それは……さっきのようなことを皆の前でするってこと……?!
「ぜ、絶対しません! もう、二度と……」
 私はすごい勢いで二人に言う。
「そっか! じゃ、僕たち先に戻ってるね」
 そう言い残し、二人は戻って行った。

 私は一人部屋に残り、自分の頬に両手を持って行った。
「……嘘でしょー…?」
 こんな人たちと住んでたら心臓がもたないと感じた瞬間だった。

    
                       第8章 完