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Re: 狼たちと同居中。【特別番外編〜執事喫茶編〜更新中】 ( No.180 )
日時: 2013/03/28 15:53
名前: 朔良  (ID: 2IhC5/Vi)

 参照1000突破記念番外編〜狼たちと執事喫茶〜

「……ねえ、何やってるわけ?」
「祈ってるの」
 次は泉君なのだろう。
 泉君なら、今まで以上に祈らないといけない、と思い、私は箱の前で手を合わせていた。
 泉君はすごく油断をしてはならない相手だ。気をつけないとすぐ食べられてしまうだろう。
「早くくじ引いてくんない? 終わりたいんだけど」
「あ、うん……」
 引いた紙に書いてあったのは、『執事とお嬢様』。
 その通りすぎる。作者のネタがなくなってきているのが丸わかり。
「執事? ふぅん……」
 泉君は初めて私を正面から見た。そして、少し表情が変わった。その瞬間、私の腕を引っ張る。
「な、なに?!」
「その首元のマーク……真?」
「え」
 私は言い当てられ、どきりとする。
「やっぱり……。和希はそういうことしないから」
 そう言いながら付けられた跡のところを指でなぞられる。その触れかたが妙に優しくて、でも強引なときもあって……と私は結構辛い。
「……ねえ。ゲームしようか」
「ゲ、ゲーム?」
「そう。俺が今からある言葉を言うから、それでアンタが動揺したり照れたら俺の勝ち。動揺しなかったら、俺の負け」
「そんなの、執事設定入ってないじゃないですか」
「このあとから入る」
 なんか、強引なゲームな気もするけれど。
「アンタが負けたら、お仕置きね」
「お、お仕置き?! ……じゃあ、泉君が負けたら、私の言うことを何でも一つ聞いてくださいね」
「……良いよ」
 なんだかよく分からないことになってるけれど、勝負となれば負けたくない。絶対勝つ。

「スタート」
「え、もう?!」
 急に始まった。始まった瞬間、泉君の腕がこちらに伸びる。
 首元の跡をなぞりながら、言う。
「……アンタさ、他の男のところになんか行かないで、もっと、もっと……俺だけに溺れてしまえば良いのに。……俺はもう、アンタに溺れてるんだからさ」
「……なっ?!」
 私は自分で顔が赤くなっているのを感じた。
 泉君は私から離れると、私を見下したような感じで見つめた。
「アンタの負け」
「うう……」
 というか、あんな言葉を言う泉君も意地悪だと思う。
「じゃ、お仕置きね」
 私を壁に押しつけながら言う。
「……お嬢様」
 こ、ここにきてですか?!
 耳元に顔を寄せ、優しく言われた。
「……厳しいお仕置きと優しく、甘いお仕置き、どちらがよろしいですか……?」
「な、え?!」
 心臓の音が聞こえる。
「公開処刑をお望みですか?」
「そ、それだけは遠慮します!」
 その後、泉君の言葉攻めは10分間ほど続いた……。

 残り一人……。身体が持たない気がする。