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Re: 狼たちと同居中。【緊急アンケート実施中(結構大事な)】 ( No.243 )
日時: 2013/04/01 11:22
名前: 朔良  (ID: 2IhC5/Vi)

        第11章 寿莉都  【続き】

 ため息をつきながらとぼとぼと帰り道を歩く。
 その時、目の前に一人の男が現れた。
「……久しぶり、あゆみ」
「……寿君?!」
 そう。現れたのは寿莉都だった。
 顔は整っていて、皆ほどではないが、カッコイイという印象がある。
「君、婚約okしたんだろう? やっと僕の者になる決心がついたんだね」
「……勘違いしないで。私はお金のために犠牲になるって思ってるんだから」
 やっぱり……彼は昔から私に何かを言ってきた。さすがの私でも好意を寄せられているのだと分かった。
「嬉しいよ……これからはずっと一緒なんだから」
「や……?!」
 急に近づいてくる。路地裏に連れていかれる。
「離してよっ……」
 抵抗するが、私の力がかなうはずない。
 そのまま、抱きしめられるというところで、後ろから引っ張られる。
「えっ……」
 そこには、泉君の姿があった。
「……悪いけど、こいつ、俺のだから」
 誰が誰のだって?
 気にしたが、助けてくれたのだから、スル—することにした。
「な、何なんだよお前!」
「それ、こっちのセリフ」
 リク君が現れて、寿君に告げる。
「僕のおもちゃ、奪わないでくれる?」
 意地悪な顔をしながら、さらっと言う。
 二人の言ってることはかなり私にとっては辛いことなんだけど……。でも、助けてくれたのだろう。
「帰るよ」
 泉君が私を引っ張りながら言う。
 寿君は「意味不明」みたいな顔をしていた。
「あゆみちゃん、和希が御馳走作ってるらしいからさ、早く帰ろう!」
 リク君が無邪気な声で言う。
「う、うん……」
 何で御馳走?
 
 私は、星屑荘に戻り、彼らの本当の優しさに触れることになる。