コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Re: 狼たちと同居中。【緊急アンケート実施中(結構大事な)】 ( No.257 )
日時: 2013/04/03 10:30
名前: 朔良  (ID: 2IhC5/Vi)

       第13章 当日

 とうとうこの日がやってきてしまった。
 寿莉都との結婚式。
 私は純白のウエディングドレスを身にまとい、控室に居た。ノックの音がして、お父さんが顔を出す。
「おお……。あゆみ、似合うじゃないか! あゆみが幸せになれることがお父さんの一番の幸せだよ」
「……カッコイイこと言っちゃって……失踪したのは誰だったっけ?」
 苦笑いを浮かべながらお父さんが頭に手をやる。
 そんな姿を見て、私は笑う。
「……もう良いよ。ごめんね、親孝行出来なくて。でも私、幸せになるから」
 最高の笑顔のつもり。
「あゆみぃっ……!」
「式の前に泣くの禁止だからね」
 すでに泣きそうになっているお父さんに釘を刺す。お父さんは言われた瞬間涙を止めようと頑張っていた。
 お父さんが控室から出て行ったあと、メールが届いた。泉君からだったけど、その前に3件のメールが届いていた。

『安心してろよ』真君から。
『大丈夫。僕たちがあゆみさんを助けるから』和希さんから。
『少しの間だけ頑張ってね!』リク君から。
『……待ってて』泉君から。

 その4件のメールを読んで、少し安心する。
 私はすぐ返信を打ち、4人に同時送信した。
『ありがとう、信じてる』

「あゆみ」
 そう呼ばれて、咄嗟に携帯を閉じる。
「……寿君」
「……利都って呼んでくれないかな。君も『寿あゆみ』になったんだから」
「まだなってない。婚姻届はまだ出していないんだから」
 婚姻届は今日、結婚式が終わった午後に出す予定だった。
「楽しみにしてるよ、あゆみ」
 皮肉な笑みを浮かべ、彼は控室を出て行った。
 
「……見てて、お父さん。私、幸せになるから」


                            続く