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Re: 狼たちと同居中。 ( No.284 )
日時: 2013/04/05 14:06
名前: 朔良  (ID: 2IhC5/Vi)

     番外編 幸せの輪

 結婚式妨害作戦が終わり、私達には平和な日々が戻ってきていた。
 神崎さんはお父さんにマンションの部屋1室、そして職を与えてくれた。
 私には高校卒業までここで働いてほしい、と言った。でも、それだけじゃ今までお世話になった分は返しきれないと思い、いつか恩は返そうと思う。

 では、本題へ行こう。
 今夜は私の部屋に皆が集まっていた。
「でもさー良かったよね。結婚式妨害うまくいって」
「うん。皆のおかげだよ」
 リク君の言葉に私は笑顔で頷く。
 その時、静かな寝息が聞こえてくる。
「……泉と真寝ちゃったね」
「……起こして移動させましょう。さすがにここでは……」
「大丈夫ですよ。起こすの可哀想だし……ここで寝ちゃいましょう? 明日の朝身体痛くなるかもですけど……」
 そう言ったら、和希さんが目を見開いて私を見つめた。
「……どうしました?」
「い、いえ……」
 ぎこちない笑顔で和希さんが言う。
「……自覚ないのか……?」
 和希さんが何かを呟いたように聞こえたが、私には聞こえなかった。
「……リク君も寝てますね」
「……リクもか……」
 そう言っている間に私にも眠気が襲ってくる。少し目をつぶったら、もう意識がなくなりそうだった。
「……すみません、私もう寝ますね。和希さんも休んでください」
 そのあと、私はすぐ眠りについてしまった。

 その日は夢を見た。
 一生、このにぎやかで幸せな時間が続く夢を。


                           完