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Re: 狼たちと同居中。 ( No.48 )
日時: 2013/02/17 15:47
名前: 朔良  (ID: 2IhC5/Vi)

      第4章 宮野真の場合

 意味が分からない。
 思ったのはそれだけだった。
 神崎のばーさんが連れてきた白原あゆみとかいう女。家庭で色々あり、ばーさんに拾われたらしい。だけど、いくら何でも図々しいだろう。

 学校へ行こうとすると、机の上に弁当があった。おせっかいな女だ。

 
「真ー、昼飯食おうぜ」
 友達の及川仁に誘われ、昼飯を食うことにした。そこへ、睦月翔も交じった。
「ふ……このタコさんウインナーを我は頭から食ってやろう……!」
「……そんなとこまで設定いる?」
 翔は整った顔をしているが、中二病が抜けないため、残念な状態にある。
「……お前さ、星屑荘に住んでんじゃん。どうなの? あそこってやばくない?」
「何が?」
「あそこの住民て、友達いない浮いてるやつばっか住んでんじゃん。お前は別だけどさあ」
 そう。あそこはおかしな奴らばかりが寄ってくる。
 おかしな女までもがやってきたのだから。


 家に帰ると、白原あゆみが夕食の準備をしていた。
「おかえりなさい、宮野さん」
 
 ……こいつは、大丈夫なのだろうか。ほかの女みたいに、俺らと関わりあいたいだけな人間じゃないのか?
 女は好きだし、世の中の女は俺のことを好きだと思う。だけど、そんなのが一緒の家に居るのはめんどくさい。
 俺はキッチンに居る白原あゆみに近づき、腕を引っ張った。
「え……、何ですか?」
 彼女は動揺している。
 そのまま俺の部屋へと連れて行った。
「あの、何ですか?! 何か……、きゃ、」
 ベットへと押し倒す。そのまま彼女の上に上がった。
 首元へと顔を近づける。
「や……」
 抵抗しても、女の力じゃかなわない。
「やめ……」
 唇が触れる、というところで、
「やめてくださいーっ!!」
 俺の腹に痛みが走る。
 白原あゆみの足が入ったのだ。
「な、な、……何するんですか?!」
 顔を真っ赤にして、言う。
「ふ、はは」 
 俺は笑ってしまう。こんな女初めてだ。
 混乱している彼女の髪に触れる。
「お前、赤ずきんみたいだな」
「は?」

 狼に狙われる、可愛くて愛らしい赤ずきんー…。
 つい、食べたくなる。

                   第4章 完